日曜日の負けはチームに大きな穴を開けてしまった。
今日練習に行くと選手が4人しかいない。
平日の夕方とは言え、みんな各々仕事に都合をつけて
だいたい常に10人くらいが集まって練習をしている。
あきらかに何か理由があって練習に来ていない選手がいる。
伏線はあった。
日曜日の試合後、痛恨のエラーをした一人が
着替えもせずに自分の車に乗って帰ってしまった。
彼はチームの4番バッターで、今のチームは
自分で言うのもなんだけど
攻撃面は、僕と彼ともう一人の選手の3人で支えている。
去年もチームパレルモのレギュラーだった3人だ。
そしてそのエラーをした彼は、ちょっとクチが悪いというか
試合中にミス続いたチームを鼓舞するために
いつもちょっとクチ汚い言葉を選んで使う。
チームが勝っているときは、みんな冷静なので
彼特有のやり方も気にならないけれど
負けがこんでいるときに、彼の一言一言はきっと重い。
そんな彼がエラーを連発して敗戦。
そして日曜日の試合後、それに我慢できなくなった選手が数名いた。
彼らは「アイツを慰めてやろうと思ったのに、すぐ帰りやがって!!
俺はアイツのやり方が納得できないよ」そして
「普段いつも色々言うクセに、自分はすぐ逃げやがって」
などと言っていた。
そしてその数名が練習に来ていない。
「仕事で来れなかった」という理由であって欲しい・・・
しかしそのうちの一人からメールが届く。
「日曜日の試合は行く。でも今日の練習は行く気になれない」
あぁ、ついに経験した。
あれだけ仲の良かったチームに、初めての亀裂・・・
エラーは仕方のない事だと思う。それだけが敗因なんて言えないし
僕からすれば、フォアボールを5つ以上出してる時点で勝てる野球をやろうなんて
そんな虫のいい話、聞いたことがない。
日本の野球についてだったら、いくらでも語れるし
そこの考え方を持ってくるのだったら
このチームに言いたいことはたくさんある。
でもそんなことが一切あてはまらないことは、もう僕もわかっている。
「イタリア人は陽気」というイメージは誰が植え付けたのだろう?
負けがこんでいるときのイタリア人は、暗く陰湿だ。
とことんまでネガティブな話題で、負けを他人のせいにする。
「OK、OK。次頑張ろう☆」とは決してならない。
今日も練習前に誰のエラーがダメだったの、誰の凡退は決定的だったのと
言い合っていた。話題に入る気になれない。
その試合から何日経ってるんだよ!もう次の試合がすぐなのに・・・
今年は近年にないくらい負け続けているらしい。
負けてネガティブになり
その気持ちを引きずったまま、次の試合でまた負け。
そこで気持ちを切らずにそのまま、また次へ・・・超悪循環・・・
このままの雰囲気では、きっと次も勝てない気がする。
去年チームが落ち込んだとき
なんとなく僕とアメリカ人選手が盛り上げ役だったなぁ
なんてことを思い出した。