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人は不意をつかれると、笑いしか出ない。

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オランダへの移動の朝、6:30に集合場所に行ってみると

もうすでにほとんどの選手が集まっていた。

みんなタンクトップに短パン、そして足元はサンダルという

飛行機移動にはちょっとラフすぎやしないか?という格好をしている。

よく飛行場などでロシア方面に向かう方々が

“その方面でしかかえないジャージ”を着ているのを見かけると

「おぉ、ヒョ-ドルとかボブチャンチンの入場みたいだ☆」

などと微笑ましく見つめてしまったものだが

ついに自分も渦中の1人になったかと、

シャツとジーンズ、それからキレイなスニーカーを履いてきてしまった自分を

少々恥じていたのだが、“そっち方面のジャージ”は残念ながら

いまだにゲットできていないので、僕だけ浮いた格好で移動する。


大型バスに乗って、飛行場へ

ヴィルニウスにある空港へは、ここカウナスからだいたい1時間くらいだろうか?

もう試合などで何度もヴィルニウスに行っている僕にとっては

見慣れた高速道路の光景を・・・ん?

いつもと景色が違う気が・・・・・・

まぁ、早朝だったのできっと光の具合が見慣れていなかったんだろう。

『いままでのヴィルニウス移動は、もうちょっと遅い時間ばかりだったしな』

などと思いながら、僕はバスで少し眠ることにした。

前日は色々と用事をこなしていたので、睡眠時間が2時間だけで

バスの中でかなり深く眠ってしまったようだった。


「ヤギ、酒買うぞー!!」

という一言で、僕はたたき起こされた。バスの外を見ると

僕らはガソリンスタンドに到着しているようで

みんなトイレに向かったり、コンビニに入ったりしている。

『飛行機に乗る前にビールか。まだ朝早いけど、まぁいいか』

そんなことを思いながら、コンビニに行ってビールを購入。

レジの後ろに立てかけてある時計が10時を指していた。

『時計壊れてるな』

そんなことを思いながら、お金を払ってビールを手にしてバスに近づく。

バスの周辺には、選手たち15人ほどが輪を作って騒いでいる。

僕も輪に加わると、隣りにいた選手が

「ヤギ、ビールはすぐにおしっこになるからダメだよ。ウォッカにしなくちゃ」

とアドバイスしてきた。

ふと輪にいる選手の手元を見ると、5,6本のウォッカがくるくると輪を回っている。

すごい酒の回し方だなぁ、これがリトアニア流かよ。

いいな、ウォッカ。僕もウォッカにするか。

でもビールを手にしてしまっていたので

「待って、すぐにビール飲み終えるから!!」

と言い切った僕は500mlの缶ビールを一気に飲み干した。

「おぉお~~!!」

輪にいた全員が僕の飲みっぷりに揺れ、それを見た僕は上機嫌に。

手元に回ってきたウォッカもすぐさま口にする。完全に悪乗りし始めた。


「あぁそうだ。今、何時?」

さっきのコンビニで見かけた壊れた時計が頭の中に気にかかっていたのか

隣りの選手になんとなく聞いてみた

「え~っと、10時」

ん?10時??コンビニの時計は壊れてない???

朝6:30分にカウナスを出発した。飛行場まで1時間・・あれ??

「あのさ・・・僕たちは今どこに向かってるの?」

隣の選手は、コイツは何を言い出すんだと困った表情になり

「オランダ・・・」と一言。

「いや、それはわかってるんだけど、このバスに乗ってどこまで行くの?」

「え~っと・・・だからオランダだけど・・・」

あれ?今すごいこと言わなかったか??


「だいたい40時間くらいかなぁ。

アムステルダムの近くまで、このバスで行くんだよ」

「え?飛行機使わないの??」

「ヤギ、オレたちの移動と言えば、絶対にバスだよ」

すげえ、なんか格言みたいだ。

あ、それでみんなラフな格好してたのか!

え~!!!!!40時間もバスに乗んのかよ!!!!!

色々と隣りの選手に聞きたいことがあったのだが

頭が混乱しすぎて言葉が出てこない。そして自然に顔には笑みがこぼれる。

これを絶句と言うのか・・・

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僕はとりあえずバスに戻りシャツやジーンズを脱ぎ、短パンTシャツに着替え

サンダルを履き、みんなと同じ格好になり、輪に戻った。

「あははは、ヤギ、だからオマエだけシャツ着てたのかー!」

「おい監督、ヤギに前もって教えてやんないと!!」

「ごめんごめん。でも移動はバスが当たり前だから・・・」

またもや格言かよ。そして

「まぁ、とりあえずウォッカ飲め!あははは☆」

とりあえずウォッカを飲んだ。

こっちだって移動は飛行機だと思ってたから“移動手段は何ですか?”

なんて質問用意してなかったんだよ!でも、僕は間違ってないと思うんだけど(笑)


どうやら僕はこのバスに40時間乗るそうだ。

40時間・・・

朝6:30にカウナスを出発しました。バスの中でまるまる1日暮らしたとして

日付が変わって24時間経過でしょ、そんでそこから16時間また

このバスに揺られるだけでアムステルダムに行けちゃうのか!!!

すげえな。凄すぎて人ごとにしか聞こえん・・・

2007年6 月14日 (木) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (11) | トラックバック (1)

地球の裏っ側の野球も熱いんだぜ!

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裏ではないか。 3分の1裏っ側も熱・・・まぁいいや(笑)


今月の13日から17日まで

オランダでヨーロピアン カップ ウィナーズカップという野球の大会が開かれる。

昨年度のヨーロッパ各地の優勝国が集い、どこが一番強いかを決める大会だ。

サッカーで言うところのチャンピオンズリーグ? UEFAカップ??

そしてこの大会に、昨年リトアニアリーグを制覇した

我が“カウナス リトアニカ”も出場!!!


今日その資料をもらった。出場チームは

・カウナス リトアニカ(リトアニア)

・オストラール アローズ(チェコ)

・コニカミノルタ ホフドルプ パイオニアーズ(オランダ)

・アポロ ブラティスラバ BK(スロバキア)

・ロッテルダム ドア ネプチューンズ(オランダ)

・レジオナーレ レンジャーズ(ドイツ)

・サン ボイ(スペイン)

・モンペリエ バルクバス(フランス)


以上7カ国から、8チームの出場だ。(適当な訳なので間違ってるかも)

その中でも、やっぱ一番気になるのは

コニカミノルタ ホフドルプ パイオニアーズ(オランダ)だな。

なんてったってコニカミノルタがスポンサー!!

なんでカウナス リトアニカじゃないのよ(笑)

日本人プレーヤーがいるのかな??

それから“ロッテルダム ドア ネプチューンズ(オランダ)”知ってる・・・

去年イタリアのテレビに出てたわ・・・反則だよなぁ、強いなんてもんじゃないだから!!

それからみなさんは「スロバキアだぁ?チェコだぁ??」

などとお考えかもしれませんが、相当強いんです!!


この大会を総評すると

多摩川出身の草野球選手が立っちゃいけない舞台のようなところです(笑)

でもね・・・はい、狙ってました!

この大会に出たいためにリトアニアのカウナスに来ました!!

だからどこまで通用するか、やってみるわ☆


明日からオランダです!!

2007年6 月10日 (日) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)

やっぱサッカーと勘違いしていると思う

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試合前日、大雨が降っていた。

「リトアニアって雨降ったら試合中止なのかなぁ??」

少し疑問に感じたが、一応試合にのぞむ心の準備だけはしておいた。


試合当日、集合予定時間ちかくになると雨がぴたりと止んだ。

ただ、雨は24時間以上降り続いたので、“スタジアム”が心配だ。


到着して“スタジアム”に目をやると、案の定マウンド、ホームベース付近、

ファーストベース付近にそれぞれ湖のような水溜りが出来ている。

「こりゃ無理だな・・・」そう思っていたところに、他の選手が到着。

「これはプレーできないよね」そう聞いてみたら

「ん?なんで???」と返事したあとに“スタジアム”を見て納得したらしく

「あぁ。やるよ!。これからみんなで整備するんだよ」

と言って、野球用具の倉庫から空きペットボトルを持って来た。

そして落ちている石を使って、うまくペットボトルを真っ二つにして

それで湖になったホームベース付近の水をすくっている。

そのすくいっぷりが実にうまい。

さらに他の選手たちが次々に“スタジアム”に到着して

それぞれペットボトルを手に、同じ作業を始める。

水があっという間に無くなった。

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そしてみんなでファーストベース付近の湖に移動。

ここの湖はデカかった。直径3メートル以上、そして深さは

20センチ近くありそうな、そんな大きな湖で

とても4,5人のペットボトル作業ではどうにもなりそうもない。


すると選手の1人がスコップを持って

ファーストベース付近からファールゾーンに向かって穴を掘り始めた。

ザックザックと掘り続け、そこに湖の水は流れ出し

わずか10分ほどの作業で、あっという間に湖は干上がった。

そしてどこかから持って来た砂をばら撒いて終了。

しかしファーストベース掘るかー??

いくら僕らの“スタジアム”が空き地っぽいからって・・・

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彼らが作業している間、僕は一応手伝いながらも

彼らの写真を撮りまくった。なんか妙にテキパキしてたんで。

「ヤギ、俺たち奇妙?」

「えへへ☆」僕は答えない。

「こんなの撮って、日本の友達とかに送るんだろー?」

その通りでございます(笑)


でもさー、僕が知ってる国々で雨降って中止になるのって日本くらいなんだよなぁ。

「前日、夜の9時くらいまで降ってました。中止」

っていうのが当たり前だもんなー。

だからどの国に比べてもグラウンドが圧倒的にキレイっていうのは

絶対的にそうなんだけども。土手の草野球場のくせに

イレギュラーとかめったに起こんないし。

あ、だからイレギュラーっていうんだ!納得(笑)


しかもこの作業の数時間後、またもやどしゃ降りになり、その中で試合。

いったんスタートをかけたら、終わるまで意地でもやるらしい。

ちなみに前日の日記の写真が霞んでいるのはその雨のせいです。


日本にいる野球狂のみなさん、たまには凸凹野球も良いですよ☆

2007年6 月 3日 (日) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (9) | トラックバック (1)

おそらく世界一マイナーな国際大会

Minsk3


現在リトアニア野球はインターリーグを実施中!!

どのへんが“インター”なのかはさっぱり謎だが

どうやら他国チームとの対戦があるらしい。


そしてさっそくやってきました、ベラルーシからの使者!!

チーム・ミンスク!!!

5時間ほどバスに揺られてやって来たそうで

グラウンドに向かう足取りが心なしか重く、もう疲れてそうだな。大丈夫か??

国的にはお隣さんなのだが

リトアニアのチームメイトたちとは体つき、骨格がちょっと違う感じがした。

少し細いか?身長もちょっと低い??


試合開始。お互いどれくらいの実力なのか計りかねているようで

様子をうかがいあっている感じのまま試合は進んでいく。

僕はこの試合、7番セカンドで出場。

徐々に調子が上向いていたので「今日はいけるかな?」と感じていた。


そして打席に入ってびっくり。

球筋がイタリアのピッチャーと非常に似ていた。

球はそれほど速くない、120出てるかどうかといったところか。

ただ重く、ストレートが常にナチュラルなシュートになる。

上半身と腕っぷしだけで投げている。投げ方がそっくりだ。

(ちなみに今まで見たリトアニア人のストレートは、みな速い上に

こんなの前に飛ばせるか?と言うくらいに重い。回転は投手によってまちまち。

下半身の使い方も、けっこうできている。かなり厄介)


そんなピッチャーを見て、妙に自信が湧いた。

結果4打数2安打。

守備のほうもノーエラーで切り抜けた。

やっぱ野球に『自信』ってすごく重要なんだなぁ。


試合は6対6で向かえた9回、相手チームの猛攻にあい3点取られてしまった。

結局そのまま6対9で試合終了。

あー、リトアニアで初めて負け試合を経験!!

どう考えても相手のチーム・ミンクスのほうが弱いのに

気がついたら点を取られ、かたや我がチームは

常にランナーが塁上にいるような状況での試合運びに安心してしまったせいか

拙攻続きのまま、いつの間にか敗戦。

レベルが圧倒的に上のチームが負ける典型的なパターンだった・・・


そして翌日にもう1試合。

今度は僕らのチームの攻撃が見事に噛み合い、快勝。

15-3とかだったかな?7回コールドだった。

まぁ、まともにやったらこういう結果になるんだけど

なので余計、前の日の負け方が気になる・・・あっさり負けすぎたんだよなぁ。


しかもあまりチーム内に「だぁ~!」とか「くっそ~」なんて状況もなくて・・・

それから試合中、明らかにミスジャッジが数回あった。

イタリアだったら、間違いなく抗議もしくは乱闘になる場面だったが

ここでは両チーム共にスルー。

ベンチ内で「あれはないよな・・・」と、数人がつぶやいたくらいだった。

いや、いいんだよ!本来はこれが当たり前なんだ。

神様である審判にはむかうなんて、言語道断なのはわかってるんだけど・・・

まだイタリア気分が抜けてませんね、僕(笑)


そして、なんというか・・・

お互いのチーム同士、挨拶したりとか話しかけたりとか、そういう交流が一切なかった。

僕は「ヤツは外国人」という感覚があったせいか

塁上でたびたび話しかけられたりしたこともあって

帰りに彼らがバスに乗り込んでいる最中に「じゃあね」「またね」と

笑顔でお互い挨拶をしたのだけれど

相手チームの選手と会話したのっておそらく僕だけ・・・

ちょっとそっけなすぎないか(笑) これ、お国柄なのかなぁ???


ちなみに僕はこの日も4打数2安打、ノーエラーだった。波に乗れたかも。

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2007年6 月 2日 (土) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (7) | トラックバック (0)

何かの天才

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人にはそれぞれ、何かしらかの才能や特殊技能があって

それは全世界から賞賛を浴び、スーパースターなる肩書きを手にできるものから

特殊技能ではあるが、誰からもまったく注目されることもなく

むしろ冷笑の対象になってしまうものまで、多種多様なものを手に持っていると思う。

そして僕にも才能があった。しかしそれは残念ながら後者、つまり

どうやってもスーパースターになりえない、ものすごく残念な才能だった。

それは『球拾いの大天才』。


わがチーム、カウナス・リトアニカのホームグラウンドは

選手たちはみな一応「スタジアム」と呼び合ってはいるが

どっからどう見ても空き地にしか見えない、そんな場所を使っている。


そしてその「スタジアム」の中心あたりに、ぼうぼうに茂った芝生の地帯があって

その上で野球をする。茂った芝生は高さ15センチくらいあって

しかもその芝の下の地面はでこぼこで、ところどころ穴が開いていたりする。

当然プレーに支障をきたす。

でも、まぁこれも野球だと開き直りながらプレーしている。


ところがどうしても開き直れないことがある。それはファールゾーンだ。

50センチ級の芝、というか雑草がぼうぼうに生え

さらに2メートルはありそうなススキのようなものまでがあって

いったんボールがその地帯に入り込んでしまうと

そこからボールを見つけ出すことはほぼ不可能なほどだ。


練習中、選手が打ち損じてその地帯にボールが入ると

周囲から「あ~ぁ・・・」というため息がもれる。

5分、10分と探すがやはりボールは出てこない

探している選手もほとんど見つからないだろうと思いながらも、

足元の芝を踏んづけながら無気力に探している。


ところが僕はそのボールをいとも簡単に探し出してしまう。

最初は「ラッキーだなぁ、ヤギ」なんて言われていたが

これが4回、5回、次の練習日でも、

そのまた次の練習日でも、僕の特異な才能は発揮され

とうとうどよめきが起こるまでになり、周囲の選手たちからも一目置かれるようになった。

「球拾いと言えば、ヤギ」と(笑)


彼らと僕の違い。

単純だ、僕は中学時代『球拾い部』に2年所属していた経験がある。

一応野球部という看板のついた、実質、球拾い部で

僕は来る日も来る日も球拾いをした。


「声出し」という、どう見ても“何とかセミナー”の会員としか思えないような

わけのわからない奇声を上げることを強要され、

声が小さいと「気合が足らない」などと、たかだか1年だか2年早く生まれただけで

野球をすることを許されたエリート会員もとい、野球部の先輩に注意され

そのついでにぶん殴られ

そして部活終了後、ボールが1つでも足らないと、

またエリート会員たちが「野球を舐めてる!」と言い出し

部室か体育館裏でフルスイングの尻バットを喰らった。

それでもなぜか、我々球拾い部員は反発の表情も見せず

ただ黙々と球拾いだけをした。


“部員”という名のセミナー会員、もとい奴隷を2年間・・・あれを洗脳と言うのか。

たしかもう世の中は平成だったと思うが、そんな昭和の香りたっぷりの『球拾い部』に

僕は所属していた。言うなれば、球拾いエリートだ☆

だから、野球しかやったことのないここらへんのヤツらには、負ける気がしねえ(笑)


ちなみに野球とは不思議なもので、2年間球拾いしかやらなかった連中が

3年目になって、やっとまともにボールを握らせてもらえるようになって

野球とかいうゲームを試しにやってみると、これがまたすごい強かったりする。

球拾いだけを2年間していたら、都内屈指のチームに成長していた。 あれ、なんでだ!?

2007年6 月 1日 (金) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (7) | トラックバック (0)

炸裂!! 四次元野球☆

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「キミは150メートル弾を見たことがあるか!?」

僕はある。

きれいな、おわん型のスタジアムに

夜ごと怪物たちが集まって行われる、プロ野球と呼ばれる類いのものではなく

球場と言うよりも、空き地と言ったほうがベターな

マウンドとホームベースあたりだけ、気分ほど芝生が削れられていて

多摩川のグラウンドを30倍くらいショボくしたような

そんないい加減な場所で行った、極めていい加減そうな選手たちの集まりで

行われる野球で、でだ。


白球は弧を描くと言うよりも、消えた。

そして到着点もほぼ誰も確認できなかった。

でも僕は、ネクストバッターズサークル(次のバッターが待機する場所)にいたせいか

その打球の到着点を目撃した、気がする。


レフトを守る選手のはるか向こう、『この先ホームラン』を示す土手をあっさりと越え

その先にある道路に到着、しかも手前ではなく奥側の車線の上で弾んだ。

もうそのころのボールは白くはなく、なにやら黒い点、というよりも

もはや粒で「僕ホントに見てたか?」ってくらい

自分の視力も疑ってしまうほど小さなものになっていた。

ちょうど到着しかけたときに手前車線を車が走り抜け

その屋根を越す形でボールは地面に落ち、弾んでいった。ような気がする。


産まれて初めて見た、150メートル弾!!


この野球場はサッカー場を改良、というか劣化させたもので

その関係もあってか、今では空き地感丸出しのクセに

バッターボックスからレフトの先にある土手までの距離を正確にみんな知っている。

土手の盛り上がりが始まる地点で105メートルだそうだ。

なので、その土手を越えた時点で110~115メートルくらいか。

そしてその土手から道路までが、だいたい30メートルほど。

そして道路2車線+歩道を越え反対側の車線までは7~8メートルは裕にあると思う。


というか、正直正確な落下地点はわからない。打球音とともに追いかけた僕の目は

明らかに途中まで正確にボールを追っていたのだけれど

そのボールであるつもりの点が小さくなりすぎて、最終的にどこに到着したのか

僕は目で確認していたような、出来ていなかったような・・・


これを打った彼、僕の1つ前の5番を打っていたんだが

この150メートル弾のあと、飛距離120メートルほどのホームラン

つまり2打席連続ホームランを打った。どんな野球だよ、ここは!!


試合は、0対0で均衡した試合のまま中盤に

僕が先制のライト前タイムリーを放ち、助っ人外人の面目躍如!!!

そして後半、彼の2打席連続ホームランなどで快勝。

僕の守備、セカンドも無難にこなし、2つのゲッツー完成に関わった。


正直、うれしいと言うより

前日のダメっぷりなどがあったので、心の底からホッとした。

リトアニア初安打で打点がついたのもうれしかったが

ベンチが大きな拍手と歓声を送ってくれて「あぁ、チーム入りできた・・・」

と、本当に安堵した。


そして試合後、みんなでレストランに寄る。

このチームでは、ホームランを打った選手は

必ずその後の食事をおごってもらえるのが恒例らしい。

2打席連続だった彼にはビール・食事に増して

大盛りのデザートまで出てきていた。

僕は、うれしそうに頬張る彼に聞いてみた。

「これで何本目のホームラン?」

「ん?今シーズンは初めてだけど・・・いままで何本打ったか覚えてないなぁ」

そんなにホームラン打ってんのかよ?(笑)

打つだろうなー、コイツらのパワーなら。


そして後日わかったんだが、彼、普段は補欠なんだよ・・・

おいおい、どうなってんだよリトアニア!!

大丈夫か、僕・・・。

ヒット1本で浮かれてる場合じゃないぞ!

2007年5 月29日 (火) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)

リトアニアにだって球春はあるんだぜ☆

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到着翌日に練習、さらに次の日には試合が待っていた。


カウナスVSヴィルニウス!!

いきなりリトアニア№1と№2のチームの対戦!!!

リトアニア最高峰!


ちなみに『カウナス』とは、僕の住んでいる所の地名であり

リトアニアで2番目に大きな都市にあたり

『ヴィルニウス』は、リトアニアの首都にもなっている

1番大きな都市だ。

数年前だか数十年前まで、リトアニアの首都はカウナスであり

そのときヴィルニウスはリトアニアに属していなかった(多分)

首都がヴィルニウスに移転してしまってからは

政治・経済の中心もヴィルニウスに移行し

現在カウナスは、ヴィルニウスの繁栄に比べて

すごく小さな街になってしまっている。


そんな因縁たっぷりの両都市!!

そしてこの日、両都市を胸に刻んだユニフォームを身にまとった選手たちが激突!!!


『お互いの選手同士は、試合前からバチバチと睨み合って

もうテンション上がりっぱなし・・・』

なんてことを僕は想像してわけだが、実際は何ごともなく

というか、僕から見たら

異常にテンションの低い状態のまま試合に突入。

試合前の練習から、何の抑揚もなく試合が開始されてしまった。


僕のリトアニア初試合は、先発で7番セカンドだった。

う~、やっぱレベル高いなぁ。

打撃は4打数0安打だった、しかも守備で1エラーを記録・・・

チームが勝ったから良かったものの

なんかだか僕が足を引っ張ったような・・・うぅぅ。


リトアニア野球、試合中の声が少ない。あまり騒ぐこともなく淡々と試合は進み

当然ながら審判に抗議もしない。

イタリア野球に慣れすぎた僕は、騒ぎたいし、つい抗議しそうで(笑)

まぁ声は出していこうと思うけど

リトアニア語がさっぱりなので勉強しないとな。


でも、そんなことよりちっともチームに貢献できなかったことに焦りを覚える

やべぇ・・・

2007年5 月27日 (日) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (3) | トラックバック (0)

野球の話を始めようか

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リトアニアのカウナスという所に到着。

これからシーズン終了の10月まで、ここに住む。


到着した翌日に、さっそく練習に加入した。

選手たちとは、もう1月ほど前に顔を合わせていて

顔も覚え合っていたので「ヤギ、よく戻ってきたな!」なんて言われて

いい気分になった。


全員が集まり、練習開始。

これまで4度ほど彼らと一緒に練習したのだけれど

全て屋内で、しかもキャッチボール程度しかしていなかった。

グラウンドでの練習はこれが初めてだ。

まあグラウンドと言っても「元陸上競技場、現空き地」みたいな、そんな所だ。

野球をする所一面に、芝が敷き詰められているのだけれど

この芝が異常に深く、地面は凸凹で

内野ゴロなんかはまともにまっすぐボールが進まない。

予測不可能なイレギュラーバウンドが普通という、笑えない状況だ。

でもイタリア野球もそんなだったので、あまり驚きはない。

きっとまた何度も顔面でボールを受けるはめになるだろう(笑)


ランニング、キャッチボール、バッティング、ノックを2時間30分かけてこなし

その日の練習は終了。

見えてきた、僕のチームの全体像・・・

守備が、超下手なんですけど!!

日本の中学生のほうが断然上手い。

それでもこのチーム、相当に強い!!!!

打撃力、投手力はヨーロッパ内でもかなり良い線いくと思う。


僕自身は、左ヒザに爆弾が昔からあって

なんだかあまりそこの調子が良くないので、早々にキャッチャーを断念。

しばらくは内野で様子見ということで、セカンドに入った。

このチームの守備力なら、きっと重宝してくれるだろう。


ただ、バッティング、それと肩!!

なんなのこいつら!?ってくらいにパワーがすごい!!凄すぎ!!!

何メートル飛ばすんだろ?

肩も、僕だってそんなに悪いほうじゃないはずなんだけど

このチームの中にいると、ずば抜けて悪い!

みんな遠投100メートルくらい普通で、そこから話が始まるみたいな

もう次元が違う。

当然、ピッチャーもとんでもなく速く投げるピッチャーばっかで

しかもとてつもなく重い。


初めて知った。野球に見合った筋肉を備え付けている民族って

きっと、ここら辺の人たちなんだろうな。

日本人なんて、彼らからしたらお呼びじゃないのかも。

まぁそれならそれで、他のところに突破口を見出さないと

生き残れないわ、このチーム内では。

『Mr,右打ち』もしくは『バント・マシーン』にでもなるか。

なんでもいいから、とにかく先発9人のうちの1人に入らなければ!

やっぱ去年、リトアニアで№1になったチームなだけあるな。

2007年5 月26日 (土) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)

叶うことのない夢、叶いかけている夢

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シチリアを離れた。

そして僕はリトアニアに向かう飛行機の中で、ずっと1つのことを考えていた。

それはシチリア滞在中、泊めてもらっていたチーム・パレルモのキャプテンの言葉だ。


お世話になっていたキャプテンと奥さんとの別れ際

「僕、リトアニアでも野球やるから。もうチームをみつけてあるし」と報告した。

2人は「どこに行ってもヤギはとにかく野球は絶対にやるんだね」と笑っていた。

そしてキャプテンが

「だったら夏に練習試合やろうよ!シチリアまでみんなを連れて来いよ!!

そしたらオマエは両チームとも出場して、両チームのキャッチャーやれよ!!

あっはっは」

と僕に提案した。

「だったら僕は打つことできないじゃん!!」とか言いながら

僕はその風景を想像していた。


チーム・パレルモとリトアニアの新チーム、

それからキューバで知り合った草野球チームに

東京時代の幼なじみたちが集まっているチーム・・・

全部が集まって試合できたら、どれだけ僕は幸せなんだろう??

きっとチーム・パレルモはいつもの大雑把な野球で得点失点を交互に繰り返して

気がついたら20点ゲームなんて状況を作り出しているだろうし

キューバのあの草野球チームは、揃いのユニフォームも、きれいな野球道具も持たない中

とんでもないスーパープレーを連発して周囲の度肝を抜くことだろうし

東京のチームは、多摩川でつちかったザッツ・草野球を体現した

絶対に負けない野球で、相手に得点を与えないことだろう。

そして未知のリトアニア野球!!

民族的に言えば、おそらく世界一のナチュラルなパワーを持っている彼らの野球が

ついにベールを脱ぐ!!!!!!!果たしてどのチームが勝利するのか!?

なんて想像が頭の中に膨らんだ。

絶対に叶うことのない夢だろうけれど、これは僕にしか持てない本当に素敵な夢だ。


・・・さて、飛行機が到着して僕はリトアニアに再び足を踏み入れた。

別の夢が叶いかけている。

僕は今シーズン、ここリトアニアでプレーする。

それがいまの僕にとって、現実的に一番大きな夢。

2007年5 月15日 (火) カテゴリー: リトアニア野球 | 個別ページ | コメント (3) | トラックバック (0)

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