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~~お酒の女神はキューバにもいる~~

Megami


キューバ人、ラム酒の栓を開けて1杯目は絶対に飲まない。

床にお酒を捨て、十字を切る。


「サンタマリアがどうのこうの」と言っていたが

めんどくさいので栓を開けるなり、すぐさま飲んでみた。

さきほど悦に浸っていた向かいの彼は

かなりホンキで不機嫌になっていた(笑)

2007年2 月11日 (日) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (3) | トラックバック (0)

1月3日分

~~世界一値段の高いインターネットカフェと世界一値段の安い床屋~~


Tokoya

キューバのインターネット料金はすごく高い。

昨日入ったインターネットポイント(ホテル)は

日本円に換算して、なんと1時間1600円でした!!


1600円をここの物価感覚で言うと・・・

もうそりゃ外国人しか使えませんね!ってくらいの金額。

このお金があれば、キューバ人なら400人が野球観戦できるってところもすごい。


そしてネットの速度も遅い!

遅さに関してはシチリアで鍛えられていたものの

それをはるかに凌駕する遅さだ。

1分で1ページ変わってくれたらラッキーだ。


1クリックごとに、ホテルに臨む海岸線を眺める。

ページが変わるや速やかに作業をして、また1クリック

そして視線はまた海岸線へ・・・どっちがメインだよ!?


日本のニュースなんかに眼を通したいところだが

日本語サイトがまた輪をかけてトロくなるので、あきらめる。

く~男色ディーノの動向とか

『勝どん』のダイナマイトの結果が非常に気になるのだが

ここはぐっとこらえよう・・・

いや、こんなときこそ皆さんの力を借りよう。

男色情報はさすがに無理だとして(笑)

勝村周一朗選手は年末、ダイナマイトという大会で勝利しましたか??

そして、サクは???

(って書いてたら、早速みなさんから情報が!さすが☆ 

サクは負けましたか・・・で、勝どんは??)

そして気分一新、髪の毛を切ろうと床屋に入る。

まぁバリカンでガッツリ坊主にしてくれればいいので

オーダーも簡単だと思い、適当に入ったのだが・・・

値段が安い!8円!!

日本で8円って、いま何が出来るだろう??

“うまい棒”1本すら買えないのか・・・

しかもただ「坊主にしてください。9ミリくらい」

とオーダーしただけなのに、あれやこれやと色々と技術を駆使してくれ

いまや僕は、完全に中国人みたいな風貌になった。

モミアゲ付近をカミソリでガッツリとテクノカットっぽくしやがって

しかも「坊主」というオーダーにも関わらず、なぜか前髪が残り

80年代くらいの、俗に言う“スポーツ狩り”みたくなって

それはそれは社会主義もとい、共産党員全開だ☆

北の“キム・●●●●●さん”の息子に激似の髪型で

キューバ人って流行に敏感なんだなとちょっと関心している。


しかもカット中ずっと「タイオトシ、タイオトシ」「ウチマタ、イッポン」

などと耳元でささやかれる、柔道経験者のオッチャンの無料サービス付きで8円。

すげえな、8円の魔力☆


インターネット1時間の料金と同じ金額で

200人の人間がケミカルに北の共産党員に生まれ変われる計算!

なんかしらんが恐るべし、キューバ☆

さらになぜかこの髪型が気に入っている僕。

K-1とかプライド、昔の例えなら

高倉健モノやヤクザ映画を観た直後のような

3割り増しで自分が強くなった気がする錯覚におちいっているんだが・・・


なぜこの髪型がそうさせるのだろうか?

ある意味、怖いものがなくなったが・・・流行の先端走りすぎっすか??

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

1月4日

~~彼らのスーパースターは日本人~~


ここキューバでは、街中で

草野球をやっている光景を当たり前のように見かける。

そして足を止めてそんな草野球を見ていると

日本人としてはうれしい光景を目の当たりにすることがある。

Ichiro01

左バッターの子がイチローの真似をしている!!

日本人の僕が、彼らのプレーを見ているからなのか

彼らなりのサービスというのもあるかもしれない。

でも、その子たちの真似っぷりが実に堂に入っている。

あの独特のバットの構えから始まり

ミートの瞬間、そして打った後の身体のひねり、全ての真似が

「昨日今日真似しました」と言う感じではない。


そしてそんな彼らと話をしていると、イチローを褒め称える言葉で

彼らが決まって使う言葉がある。直訳すると

「イチローは“なんて動物!”」とか「イチローは“すげぇ動物!!”」なんて感じか。

もっと上手い訳し方があるんだろうな。でも、なんかこの訳し方が好きだ。

なんとなく彼らの言いたいことがわかる。


そして彼らがイチローを語るときの表情を見ると

日本から来た人間に対してのリップサービスでない事もすぐにわかる。

彼らは本気でイチローに憧れている。


そしてテレビで野球観戦していたら

キューバのトップリーグの選手が打席に入るときにイチローの真似をしていたときは

さすがに笑った。

Ichiro02

でも、日本から来た僕からしたら

わずか20メートルもないような空き地に、ガムテープをぐるぐるに巻いたボールと

バットっぽくしただけの木を使い、ピッチャーはホンキのピッチング

バッターもこれまたホンキのフルスイング、そして1塁まで裸足の全力疾走。

街中でこんなパフォーマンスをごく日常的に見せつけるキミたちにこそ

「すげぇ動物!」という言葉を贈りたい。

空き地で内野ゴロ・ダブルプレーを完成、連発させる奴らなんて

他の国じゃまず絶対にいないだろうな(笑)

彼らのスーパースターがイチローなら、僕のスーパースターは彼らだ☆

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)

1月5日

~~バットか三脚か?つったら、やっぱバットだろうよ~~


Mazza

旅準備をしている。

せっかくキューバに来ているので、色々な土地も見てみたいと思い

ハバナを離れることにした。


ハバナでお世話になった宿屋のおばちゃんが良い人で

「どうせハバナに戻って来るんだろうから、使わない荷物をウチに置いていっていいよ」

と言ってくれた。

イタリアを経由してここに来たので、冬着なんかも持っている僕は

言葉に甘え、さっそく荷物の選別をする。


日本から持って来ている荷物、特に今回はいつもの海外旅行に比べ

カメラ関係の道具が少ない。

海外に出るときに、いつも必ず持っていたカメラがあった。

師匠からもらったカメラで

素人、玄人分け隔てなく、そのカメラの存在に惚れ惚れするアンティークな逸品。

初めての海外旅行に持って行って以来、仕事だろうが何だろうが

日本を離れるときは必ずカバンに忍ばせてきた。僕のお守りだ。

今回はそいつを置いてきた。理由は、使わないから。

ここ数年、ほとんどそのカメラを使っていない。

そのくせ、どんなところにも海外には持ち歩いた。

そんな願掛けみたいなことを10年近くやってきていた。

たぶん僕は、そのカメラを師匠からもらうことによって

ライセンスの無い職業だけど

師匠から何か、ライセンスのような、そんな形のようなものを

もらった気がしていたのかもしれない。

僕のアイデンティティーとも言えるカメラ。


そしてさらに、もう1つ日本に置いてきた物、三脚だ。

アシスタント時代、散々叩き込まれた

カメラマンとしての武士のたしなみみたいなもの。


おそらくその撮影で三脚が使われることは無いだろうと予想を立てても

「まぁ使わないだろうけれど、とりあえず」と言って

必ずアシスタントだった僕の手元に三脚はあった。

そしてだいたい三脚は使われる。三脚は中途半端に重い。

夏場、これを持ち歩くかどうかで確実に汗をかく量が違う

でも三脚は重さのうちに入れていない。

カメラマンが常に持ち歩いて当たり前の1つ。

間違いなくカメラマンとしてのたしなみの1つだ。

僕が独立してからも、この行動を続け

そしてずいぶんと役立った。


今回、その“たしなみ”も“アイデンティティー”も置いてきた。

その代わりバット、グローブ、ミット、とどめに練習用ユニフォーム・・・

三脚を持って行こうかと一瞬考えたが

「バットと三脚って、なんか2つあると邪魔だな・・・」と、却下した。


いま僕は間違いなく野球選手としての

たしなみもアイデンティティーも手にして旅をしている。

「いますぐ試合に出てくれ!」と、いつ何時言われても

対応できる準備はできている(笑)

ただ、カメラマンとしては

なかなか師匠に報告し難い旅となっている。

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)

1月6日

~~サンタクララ~~


Clara00

「向こうで生水は飲んじゃダメよ!」

ハバナを出るバス停までついて来てくれた宿屋のおばちゃんが

僕にそう言った。

どこの国の人も同じこと言うんだなぁ

なんてほのぼのしながらおばちゃんと別れ、バスに乗りこむ。


ハバナを離れ、サンタクララというところに向かう。

キューバの国はバナナが横になったような形をしていて

ハバナは1本のバナナを3つに分けたうちの左側に位置し

サンタクララは真ん中あたりに位置している。

ハバナの街を出て、ただひたすら真っ直ぐに伸びた1本道を進む。

一見、高速道路のような面持ちの道路だが

コンクリートで舗装されているものの、凸凹ばかりの道で

バスと一緒に身体が上下に揺れる。

乗り物酔いに関してはかなり強いはずの僕も、目が回った。

そして徐々に身体が揺れに慣れてきた4時間後、サンタクララに到着した。

かなり小さな街だ。


しばらくここに泊まり続けるつもりだ。

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

1月7日

~~この街にはアイツがいる~~

Kamisama


サンタクララ。

この土地に来た1番の理由は

僕が世界一好きな野球選手のプレーを観戦したかったから。


2004年のアテネオリンピックを生観戦したときに

ビッカビカに光り輝いていたキューバのショート“パレッ”がいる。

WBCで、日本との決勝戦でホームランを打ったらしいんだが

僕はイタリアにいて、この試合をしっかり観ることが出来なかったのでよく知らない。


アテネでの彼のプレーは

アグレッシブで、アクティブで、クレバーで、笑顔が抜群にステキだった。

ある試合、極限状態の苦しい場面で

彼は味方バッテリーに笑顔でアドバイスしていた。

緊張感が一瞬やわらぐバッテリーの表情が印象的だった。

そしてチームがピンチを切り抜けた直後の攻撃で

彼は三塁線にセーフティーバントをする。

1塁まで超必死の全力疾走、矢のようなヘッドスライディングを決めた瞬間

1塁ベース上で上半身だけ起きあがり

泥だらけのユニフォームを指さしながら

満面の笑顔で『オレたちは1つだぜ!!!』と

味方ベンチに向かってメッセージを送った。

観ていて鳥肌が立った。自然に目頭が熱くなり

「うっわ~、超~野球やりてぇ・・・」と僕は口走っていた。


キューバに着いて以来

そこらへんで草野球をやっているチビッコたちに聞きまくり

彼がサンタクララのチームでプレーしていることが判った。

すぐさま知り合いに電話し

「サンタクララってどこにあるの??」と聞いた。彼の返事は

「ハバナから5時間くらい車で行った、オレが今いるところ。」

というものだったので、彼とサンタクララのバス停で待ち合わせることにした。


サンタクララ、街の印象は「何もない」街だ。

シチリアのド田舎だって、もうちょっと何かあったものだ。

ただ、この街にはアイツがいる。

恋人と待ち合わせたときのように胸が高鳴って仕方がない。

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

1月8日

~~経験上、アテにしていない人ほどアテになる~~

Ate


サンタクララ。

ここに来たもう一つの理由“知り合い”に会いに来た。

またこれが微妙な知り合いで

イタリア時代に2,3度会話をしただけの人。


僕が所属していたシチリアの野球チームは

女子ソフトボールチームも持っていて

その監督をしていたのが、その“知り合い”の彼だった。


ただ、母体が一緒と言っても、会う機会はほとんど無く

僕は彼の名前も知らなかったし

彼からしても「あ、あの日本人か」くらいの印象しかなかったと思う。


12月19日、イタリア最終日、明日いよいよキューバに入ろうとしていたころ

僕はシチリアのチームメイトたちと酒を飲んでいた。

そしてベロンベロンになった監督が

「おいヤギ!おまえキューバに知り合いいないだろ!?俺が紹介してやる☆」

と言って、僕のケイタイを奪い取り、いきなりキューバに電話しやがった。

完全に酒が全身に回って、上機嫌の監督は電話口で

「じゃ、ヤギがそっち行くからよろしく~☆」

と言って電話を僕に渡す。僕もおどおどしながら

「チャオ・・・、僕のこと覚えてる?日本人の・・・」

「・・・うん、覚えてるよ。1回オマエにノックしてやったことがある・・・」

「ああ、そうだね・・・で、キューバに行きたいんだけど・・・」

「こっちの宿とか決めてないのか?じゃ、紹介してやってもいいけど・・・」

「うん・・・助かるよ、ありがとう!!」

というような会話をし、電話を切る。

その一部始終を聞いていた監督は

『どうだ、オレはアテになる人間だろう!?』

とでも言いたげな表情で僕を見つめる。

オ、オマエに感謝すればいいのか??電話先のキューバ人は嫌がってなかったか!?


そしてキューバにやって来たわけだけれど

なんか彼のことをアテにしてもいいのかわからないし

かと言ってキューバのことなんてさっぱりわからないし

できれば現地の人にキューバ野球のことも聞きたかったし・・・


そんな“知り合い”の彼は、飛行機が6時間遅れたにもかかわらず

空港で僕を待っていてくれた。

空港から300キロも離れた小さな街から

わざわざ僕を迎えるためだけに来てくれた。

シチリアから電話をした25時間後のことだった。


彼と会った瞬間、どんなリアクションを取っていいのか判らなかったので

とりあえず大げさに、両手を大きく広げイタリア式の抱擁を決める。

そしてとにかく大声で笑っておいた。

向こうも、どうしていいのかわからなかったんだと思う、僕と全く同じことをしていた。

周りが見たら、これがほぼ初対面だとは誰も思うまい(笑)


彼の車に乗り、空港を出る。

意外なことに会話が弾んだ。

話のネタは、シチリアから電話をかけた監督の話。

監督と、この彼は親友で

「あいつは元気か!?

アイツは酔っ払ったときしかオレに電話して来ないんだよ!!」

「うん、元気だよ。

あの野郎、僕のときだけ1,2塁線にヒットエンドランしろとか

 セーフティーバント3塁線に決めろとかサインしょっちゅう出すくせに

 イタリア人選手には全然サイン出さねぇーの!

それにアウトカウントいつも間違えやがって!!」

「アイツはもうダメだ。ベネズエラに帰ってりゃいいんだ!アハハ☆」

そんなこんなで車内は盛り上がっていた。


彼の車はハバナ市内に入り、小さな宿屋の前に止まった。

彼の知り合いが経営している宿屋だった。値段も設備も申し分なかった。

そして彼は「じゃ、オレ帰るわ。すぐに寝ないと・・・」と言って、

すぐさま宿屋を後にして、300キロ先の自宅に帰って行った。


そんな彼に、僕は「親切なオッサンだな」と親近感を覚え

「野球観戦ついでに、彼に挨拶でもしに行くか。

お土産に酒でも持って・・・」

くらいの気持ちで彼に会いに行った。

そんな彼と共に過ごした20日間、信じられない日々の連続が僕に訪れる。

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)

~~神様はミズノがお好き~~

Clara55


サンタクララに着くなり、知り合いに「野球が観たい」とせがんだ。

キューバ人、その一言に大喜びで

「さすがおまえは日本人だ!!

 今まで何人もイタリアからウチに遊びに来てるけど

皆、ディスコに連れて行けだの

パブで女の子と知り合いたいだの、ろくなこと言やしねぇ!

よーし!ちょうどこれから試合があるから、今から連れて行ってやる!!」

と、車を飛ばし始めた。

着いたスタジアムは、ハバナほど大きくはないが

このスタジアムも重厚感たっぷりで

威圧的な感じが、ヨーロッパ建築の教会とか古いホテルなどのそれと似ている。


さっそく球場へ・・・関係者入り口を通過する。

「オレは、今日これから試合をするサンタクララのチームの

 女子ソフトボールの監督なんだよ」

座席も関係者席だった。

最前列を占拠していた『選手たちの妻&彼女』軍団がジロジロとこちらを伺う。

そのジロジロっぷりは、もはや試合どころではない。試合に集中しろ、彼女軍団!

しかしこの中に“神様・パレッ”の奥さんとかがいたりするのかと考えると

少しドキドキする。


神様はこの試合3打数1安打、2四死球。動きがあまり良くなかったが

神様のそんなところが見られることすらも至福だ☆

“神様・パレッ”実は7,8年前にアメリカから

メジャーリーグ入りの誘いの電話を受けたことがあるそうだ。

結局このことがキューバ政府にバレて、1年間の試合出場停止を受け

そして“神様”は今もここキューバでプレイしている。

ざまあみろアメリカ人!彼のプレーが見たけりゃキューバまで来い!!

そんなセリフを吐きたくなる夢心地の心境☆


試合は“神様”の所属チーム『ヴィヤ・クララ』の負けでゲーム終了。

球場を出る。


するとすぐに僕の知り合いに話しかけてくる巨漢の男がいた。

知り合いは巨漢と一通り会話を終えた後、僕のことを紹介した。

「コイツは日本人で、イタリアで野球やってるんだよ」

「オォ、ニッポンジン!! ワタシハ“ラゾ”トモウシマス!!

ワタシハ アナタノ カレシニナリタイ デス!! ガハハハ☆」
 
キューバ代表のピッチャー“ラゾ”だ!!すげぇ!!!

キューバに来て20日近く、初めて聞いた日本語が

よりにもよってラゾの「アナタノ カレシニ」だ☆


感動いっぱい胸いっぱいも束の間、アンダーシャツにユニフォーム下状態で

明らかに「今試合を終えてきました」という感じの

170センチほどの選手が、僕の目の前を通過する。

『まさか、この背丈・・・』

その170センチの選手は、“ラゾ”と冗談を言い合った後

僕の知り合いと何やら会話、そして先ほどのように

僕のことを170センチに紹介。

すると170センチは

「日本から来たのか!遠かっただろ!?ミズノは最高だ☆」

と、僕と握手しながら笑っている。

僕は『あなたの名前が知りたいんですけど・・・』

と聞いてみたい気持ちでいっぱいだったのだが

そんな失礼なことできない。

だってこの人、絶対に“神様・パレッ”なんだもの・・・

彼の差し出した、大きくてガッシリして暖かい右腕を

僕は両方の手で「ガッ」と、大事に大事に握った。

プロレスオタクならわかるであろう“あの光景”である(笑)

犬が、飼い主なんかに腹ばいになってお腹を広げて見せる、あの状況とも訳せる。


神様が僕に問いかけてくる「オマエ、グローブはどこ使ってんの??」

「ミズノ・・・です」ウソである。

「おぅ、そうかそうか!明日も試合観に来る??」

「はい!」

「あ、オレこれから球場に戻らなきゃいけないから、じゃあな!!」

と言って、170センチは球場に消えて行った。


わずか1,2分のことだっただろうか?

知り合いに聞く「ねぇ、今の“パレッ”だよね??」

「おう、そうだよ!

今日これからオレの家で、オマエと“パレッ”とオレの家族とで

夕飯を食う予定だったんだけど、でも今日試合で負けちゃっただろう。

だから今日これから彼はミーティングがあって

明日の試合は昼間からだから、もう今日は外出できなくなっちゃったんだよ。

あぁ、アイツはキューバ代表の選手でな・・・」

いや、僕には説明不要です。

“神様”の試合観戦後、“神様”と食事会・・・

豪華すぎて、きっと食事がノドを通らなかったでしょう。


サンタクララに来た一番の理由を、僕は知り合いに熱く熱く話す。

「そうなのか!!だったら今日がダメでも

明日とかに食事会セッティングしてやろうか!?

・・・あ、でも、明日は試合終わったら、すぐに遠征に出るんじゃないかなぁ??」

いえ、けっこうです。

“そんな可能性があった”という事実だけで、もう充分でございます。

サンタクララ初日のベッドの中で

「今日、これまで僕に起こったこと全てが実は夢で・・・」

なんて乙女みたいなことを、ホンキで思った。

あぁ、今の僕ならサンタクロースの存在も信じられるよ(笑)

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (1)

~~第40何回?キューバ・ソフトボール全国大会

Zenkoku3


野球場のすぐ近くに、ソフトボール場があって

午前中その前を通ると、いつも若い男子達が

ホンキになってソフトボールをしている。

そんな彼らのプレーを球場横のベンチからのぞいていると・・・

ショートを守っている選手の帽子が

なんとチーム・パレルモの帽子だった!!

イタリアの野球チームの帽子をキューバ人がかぶっている!!

しかもかぶり方が、野球人独特のかぶり方で

なんだか帽子についているパレルモのマークが、すごく強そうに見えてくる(笑)


大感動の僕は、そんなショートの彼に近寄り

ネット越しから話しかけた。

「ねぇ、なんでその帽子かぶってるの!?」

「え・・・・・・」虚をつかれる質問に、彼は返答に困っている。

「それ、僕の野球チームの帽子なんだよ!」

「あ。誰かからもらったんだよなぁ。誰だったかなぁ?」

もちろん僕の知り合いからしか有り得ないわけで

質問する必要なんてなかったわけだが

なんだか興奮してしまって、つい話しかけていた。


色々と話していると、僕が肩にかけているカメラを

彼は先ほどからチラチラと気にしている。

そして「あのさ・・・オマエ写真上手い??」

自信たっぷりの顔で「僕はプロのカメラマンだよ!」と答える。

彼は『お!』という表情をした後に

「オマエいつまでサンタクララにいるの?」「2週間後くらいまで」

「来週の水曜日の午前中、またここに来れる?」「うん」

「あのさ・・・俺たちの試合があるんだよ。写真撮ってくれないかな??」

「いいよ」「本当か!!!でも、お金は払えないぞ!」

僕はすぐに『必要ない』という表情をつくって、彼に答えた。


そして指定された日に球場に行ってみると

試合前の開会式を始めようとしている。

パレルモの帽子の彼と会い、大会本部のようなテントのあるところに通される。

テントの中にいる偉そうな人が

「あ、写真を撮ってくれるんだってね。ありがとう」

と僕に握手を求めてきた。なんだ、なんだ??

パレルモの彼が説明してくれた。

「これはな、今日からサンタクララでやる

ソフトボールの全国大会の開会式なんだよ。

 写真を運営本部に送らなきゃいけなかったんだけど

誰も写真を撮れる人がいなかったんだ。だからオマエに頼んだんだよ」

そして偉そうな人から

「開幕式のようすの写真と審判団の集合写真なんかは

必ず撮って、ここに送ってくれ」と

紙切れに書かれた住所を渡された。


Zenkoku

こうして僕は、2007年・サンタクララで行われた

キューバ・ソフトボール全国大会のオフィシャルカメラマンとなり

40何年だか続いているキューバ・ソフトボールの歴史の1ページに

加担したのである☆


こりゃ5枚なんて言わず、30枚くらい送りつけるしかないな。ニヤリ☆


Clara033

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)

~~「マフィアってきっとこうやって作られていったんだろうな」と思った~~

Mafia2


イタリアンコネクションの快進撃は留まるところを知らない。


午前中、身体を動かそうと思い、野球場の周りをランニングしていると

球場内で何かやっている声がしたので、開いているゲートに勝手に入って

観客席から球場内をのぞいてみた。


すると球場内に20人くらいの人間が、練習用のユニフォームを着て

ランニングしたり、筋トレしたりしていた。

なんとなくその光景を観客席から眺めていると

球場内から僕に向かって走ってくるオッサンがいた。

僕が彼を見つめていると「ワタシハ ホルへ トモウシマス!!」と

僕に向かって挨拶してきたので

日本語で「こんにちは!!」と返事する。

彼はものすごい満足そうだ。

彼に、球場内にいる選手みたいな人たちは誰なのか聞いてみると

「“ヴィヤ・クララ”の1軍の投手陣だけど、キミ、イタリア語しゃべれるの?」

と聞いてきたので「ハイ」と答えると

オッサンは『ちょっと待ってろ』と手で僕に合図し

はるか遠くの球場裏に消えて行った。

そして10分ほど後、オッサンはさらに数人のオッサンを連れて来た。

僕に向かって「アキハバラ!アキハバラ!!」と大声で叫んでいるオッサンや

両手を合わせて、首を前後にペコペコ

外国人が必ず日本的だと間違える挨拶を僕にするオッサンがいたり

すごい流暢な日本語で「ドウモ、コンニチハ!ゲンキデスカ!」

と話してくるオッサン・・・みんな満面の笑みをたたえている。


そして1人が「オマエ、なんでイタリア語話せんの?」

と聞いてきたので「シチリアに住んでいました」と答える。

「そうなのかぁ!オレたちはみんな今イタリアに住んでるんだよ!

 春になるとイタリアでは野球が始まるから、それの指導をしに行くんだ。

それにみんな日本に何度も行ったことあるんだよ!!」

「僕もイタリアで野球をやってました!!」

「え!!そうなのか!!!!!!」

そして色々とイタリアの話をしているうち、1人が

「おい、観客席にいないでグラウンドに降りて来いよ!」

と、僕を球場内に招いてくれた。

『え?入っちゃっていいの??』と、躊躇した表情を僕が見せると

『平気平気』とみんなは手招きしている。

支持されたゲートから球場内に足を踏み入れる。

野球場の芝の香りが気持ち良い。


そして先ほどのオッサン連中のところに行き、握手をする。

そしてまたイタリアの話で盛り上がる。

「オマエが来る前に、イタリア野球の話をしてたんだよ!

 あのな、俺リボルノの野球チームの監督やってんだけど

 去年のある試合でな・・・」

イタリア人審判の素行についてキューバ人4人、日本人1人で大盛り上がりだ。

「僕なんか、こんな3塁牽制食らって、アウトを宣告されたことあるよ!」

と僕が実演すると、キューバ人たちは大爆笑だ。

「で、オマエのチームの監督は何て抗議したんだ?」

「そのプレー自体観てなかった・・・」「ギャハハハ、ダメだそりゃ!!!」

みんなで腹を抱えて笑う。

あの国の野球を知る者たちの、なんとも言えない一体感を

ここサンタクララで味わう。


Swllows

そして先ほど、異常に流暢な日本語の挨拶を僕にした人に視線を向けると

“swallows”のアンダーシャツとユニフォーム(下)を履いていた。

「なんであなたはスワローズのユニフォームを着ているの!?」

「数年前までスワローズに指導者で、東京に行っていたんだよ。

ナカムラ知ってるか?彼は本当に良い人だ!!」

誰だ?ヤクルトのナカムラ?? すまん、知らん!!

「でも今は俺もイタリアに住んでいるんだよ。

みんな春から秋までイタリアで、そしてシーズンが終わったら

キューバに戻って、ヴィヤ・クララと合流するんだよ。

オマエも春にはシチリアに戻るのか??」

「いや、まだ決めていない・・・

今度はイタリア以外のヨーロッパでプレーしてみたい」

「そうかそうか。でオマエ、どうしてこの球場に来たの?」

「球場の周りをランニングしてたら音がしたので、入ってみた」

「いつまでサンタクララにいるの?」

「再来週くらいまで」

「毎日ランニングするのか?」

「たぶん・・・」

「じゃ、グラウンドの中走れよ。今ここにいるのはみんな投手陣で調整だけだし

みんなほとんどランニングしかしないから

 オマエもそういうトレーニングしたいんだったら

ここの器具とか自由に使っていいよ。

もう少し前にサンタクララに来ていたら

野手陣が遠征に出る前だったから、練習に入れてやったんだけどなぁ。

いま野手陣はみんなサンタクララにいないからなぁ。

2月までここに帰ってこないんだよ。残念だなぁ」


ええええええええっ!!!なんかすごい話してないか!!

とりあえず、この球場使っていいのか!!!

そして、もう少し早くサンタクララに来ていたら

“神様・パレッ”と練習してたかもしんないのか!!!!
 
 めっそうもございません、そんな恐れ多い・・・
 
 こんなキレイな球場の芝生でランニングできるだけで満足でございます・・・
 
 
 さっそくランニング。みんな各々に筋トレなんかしていて

かなりのんびりした雰囲気だ。

僕が走り寄ると「やあ」とか挨拶してくれる。

そして「ハロー、ジャパン!ハロー、ジャパン!!」と口ずさみながら

僕をものすごいスピードで抜き去っていった大柄な選手が

このチームのエースだそうだ。なんか呑気な雰囲気だなぁ。


Mafia

選手がポツポツと球場から消えて

球場には僕と数名くらいしかいなくなったので

僕もトレーニングを止め、みんなにお礼の挨拶をした。

「今度は金曜日にまた同じ練習をここでやるんだけど、オマエ来る?」

「もちろん!!!」

「じゃ、またな!!」

「それじゃ!!!」

僕は球場を後にする。

出口でさっきのエースピッチャーがチビッコたちに囲まれて

話をしている。チビッコたちは彼を憧れの目線で見上げている。

そこを通り過ぎるとき、エースに「またね」と言ってみた

「お~ジャパン!またな!!」

その声に手を振って答えながら球場を出た。

なんか僕、キューバの野球選手になったみたいだ!!

歩きながら、快心の笑みが止まらない。

2007年2 月10日 (土) カテゴリー: その他 | 個別ページ | コメント (19) | トラックバック (0)

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