~~バットか三脚か?つったら、やっぱバットだろうよ~~
旅準備をしている。
せっかくキューバに来ているので、色々な土地も見てみたいと思い
ハバナを離れることにした。
ハバナでお世話になった宿屋のおばちゃんが良い人で
「どうせハバナに戻って来るんだろうから、使わない荷物をウチに置いていっていいよ」
と言ってくれた。
イタリアを経由してここに来たので、冬着なんかも持っている僕は
言葉に甘え、さっそく荷物の選別をする。
日本から持って来ている荷物、特に今回はいつもの海外旅行に比べ
カメラ関係の道具が少ない。
海外に出るときに、いつも必ず持っていたカメラがあった。
師匠からもらったカメラで
素人、玄人分け隔てなく、そのカメラの存在に惚れ惚れするアンティークな逸品。
初めての海外旅行に持って行って以来、仕事だろうが何だろうが
日本を離れるときは必ずカバンに忍ばせてきた。僕のお守りだ。
今回はそいつを置いてきた。理由は、使わないから。
ここ数年、ほとんどそのカメラを使っていない。
そのくせ、どんなところにも海外には持ち歩いた。
そんな願掛けみたいなことを10年近くやってきていた。
たぶん僕は、そのカメラを師匠からもらうことによって
ライセンスの無い職業だけど
師匠から何か、ライセンスのような、そんな形のようなものを
もらった気がしていたのかもしれない。
僕のアイデンティティーとも言えるカメラ。
そしてさらに、もう1つ日本に置いてきた物、三脚だ。
アシスタント時代、散々叩き込まれた
カメラマンとしての武士のたしなみみたいなもの。
おそらくその撮影で三脚が使われることは無いだろうと予想を立てても
「まぁ使わないだろうけれど、とりあえず」と言って
必ずアシスタントだった僕の手元に三脚はあった。
そしてだいたい三脚は使われる。三脚は中途半端に重い。
夏場、これを持ち歩くかどうかで確実に汗をかく量が違う
でも三脚は重さのうちに入れていない。
カメラマンが常に持ち歩いて当たり前の1つ。
間違いなくカメラマンとしてのたしなみの1つだ。
僕が独立してからも、この行動を続け
そしてずいぶんと役立った。
今回、その“たしなみ”も“アイデンティティー”も置いてきた。
その代わりバット、グローブ、ミット、とどめに練習用ユニフォーム・・・
三脚を持って行こうかと一瞬考えたが
「バットと三脚って、なんか2つあると邪魔だな・・・」と、却下した。
いま僕は間違いなく野球選手としての
たしなみもアイデンティティーも手にして旅をしている。
「いますぐ試合に出てくれ!」と、いつ何時言われても
対応できる準備はできている(笑)
ただ、カメラマンとしては
なかなか師匠に報告し難い旅となっている。
君の日記を見る限りはバットで正解でしょうな。
バットを選んだからこそ、ここまでの写真が撮れているんだろうね。
究極の選択、正解!
投稿情報: たかし | 2007年2 月13日 (火) 10:56