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八木虎造〜世界中で野球する男〜

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僕はイタリアで、あと何本のヒットを打てるのだろう?

Te2


7月16日のセリエ最終戦を最後に

野球から遠ざかっている。


仕事が忙しかったというのもあるが

春にパレルモへ戻って以来、野球に明け暮れた毎日だったので

それ以外のことを色々やってみた。

そして2週間が経過。

もう我慢が出来ない。というか

そろそろいいだろ、野球をやろう☆


8月の最終週からトーナメント戦開始。

負けた時点で、僕のイタリア野球生活が終わる。


さぁ、また明日からバットを握るか☆

2006年8 月 5日 (土) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

女神、快心の微笑み☆

Kaisin3


11-1。パレルモ勝利

そして僕は5打数4安打。

その数字以上に大きなものを得た試合だった。


7回の裏2アウト、9-1でめぐってきた最終打席。

ランナーは2,3塁。先週とまったく同じ場面だ。

先週はここでショートゴロに倒れて、チャンスを壊し

チームは敗退してしまった。


9-1で勝っているとはいえ、ここで僕がヒットを打てば

10点差になり、残りの2イニングをプレーすることなく

コールド勝ちで試合終了。


イタリア野球は本当に一寸先のことはわからない。

勝てるときに勝っておかないと、得点できるときに取っておかないと

とんでもんない場面であっさりとひっくり返される。

10点差をひっくり返されたことも、ひっくり返したことも

日常茶飯事で経験している。


なのでこの打席でヒットを打って、試合を終えておかないと

味方のピッチャーの体力のことを考えると

残りの2イニングで、相手が逆転する可能性はかなり高い気がした。

何よりあの凡退後、ベッドに入るとあの場面を思い出してしまい

目が冴えてしまって眠れなくなってしまうという経験を

し続けた先週の日々だったので

絶対に悪夢から目覚めたかった。


打席に入る。バットを握る力・・・まだしっかりと力強い。

ピッチャーの配球整理・・・どういう球にも対応できる頭で臨んでいる。

集中・・・しっかり集中できている。いける!!

力強く振りぬいたバットの根元にボールが当たる。

ショート方面に打球が飛ぶ。届かない、ヒット。


何度このシーンをイメージしてきたことか。

芯に当ててショート真正面だった先週の汚名返上だった。

バットの根元とか、芯とかもうそういうことはどうでも良い。

1塁ベースに向かう間、何度も何度もガッツポーズしていた。

正直、うれしいというより

「あぁ、これでもうあの辛い悪夢を見なくて済む」

という安堵の気持ちのほうが全然強かった。

試合は僕の一打で終了。ベンチからみんなが僕のもとに来て

ヘルメットを叩いたりの、サヨナラ勝ちのような祝福。

たしかにサヨナラ勝ちの一打を打ったとも言えるか。悪くないな(笑)

リーグ戦最終打席、僕は人生初のサヨナラヒットを打った。


家に帰って、昼真っからビールを飲む。

普段あまり美味しいと感じないイタリアビールを飲む・・・美味い☆

気が付いたら、今週はビールを全く飲んでいなかった。

こっちに来てから、そんな日々は初めてのことだろう。

ラベルのおやじが、僕を祝福している気がした(笑)


Kaisin4

2006年7 月18日 (火) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)

この手が放つものは、ヒット3本☆

Hit3


ヒット3本。明日の夢日記を書いてみた(笑)


日本から持ってきていたバッティンググローブ3枚が

全てこのようになってしまった。

3枚目は今週頭に破れ始め、どんどん穴が大きくなった。

予想では2枚を破いて、3枚目を使っている最中に

日本に帰国する予定だった。まだ帰国まで3ヶ月ある。


このグローブは、「高校野球用」と言ううたい文句で

見てくれは、まぁなんというかシンプルなんだけど

めったに破けたりしない。僕のように

すぐに替えの品を手に出来ない者にとっては

かなりの優れモノのはずなのだが・・・

それだけ、このパレルモに来てから

バットを振り続けていた証と言えば、だいぶ聞こえが良いので

そうしておこう(笑)


明日は、春から始まったセリエ(リーグ)最終戦。

これから9月まで、シチリア野球は完全休養に入る。

今までのフラストレーションを絶対にここで晴らしておきたい。


今日もこのグローブをつけて、バットを素振りして

明日の試合に備えた。

そろそろ野球の女神様が、僕にご褒美をくれると信じている☆

2006年7 月16日 (日) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

プロ野球選手のサインの書き方

Sgin2

野球教室後、数人からサインを求められた。

「ねぇヤギ、サイン書け」

命令形かよと思いつつも彼らのノートとペンを取る。


「ねぇ、ヤギは良い選手なんでしょ?」

「この前の試合はホームラン打った?」

僕にサインを求めた数人は、2週間前の試合に観戦に来てくれていた。

僕はその試合、ヒットなしだったのだが守備で活躍。

横っ飛びキャッチをしたり、僕のファインプレーで試合が終了したため

選手が僕の元に集まって、手痛い祝福をしてくれた。

はたから観ていたら、きっとアイツは良い選手なんだなと感じたことだろう。

ましてやまだルールを良く理解していないこの子たちにとっては

僕がチャンスでダブルプレーを食らったことなど

まるっきり分かっていないはずだ(笑)

僕はまんざらでもない笑顔というか

イヤラシイにたにた顔でサインしてあげた。


一昨年の秋、僕がパレルモでデビューした試合後

着替えを終えてベンチを出ると、球場の出口に男の子が立っていた。

その男の子は僕に、ボールとペンを差し出してきた。

「ん?これはサインを書いてくれってことなのか!?」

人にサインなんて書いたことない。

数秒考えたあげく、アルファベットで「yagitorazo」と言う文字を

かなり格好つけて書いてみた。

さながら日本のプロ野球選手が書くような

「え?これで原辰徳って読むのかよ?」というような趣きだった。

自分でもかなり良い感じで書けたなと大満足だったのだが

チビッコはすごく不満のご様子で

「え・・・日本語じゃ・・・??」とがっかりしている。

どうやら漢字で書いて欲しいらしい。

そして僕はボールの裏に「八木虎造」と

ごく普通の字体で書いてあげた。

少年は大満足でニッコリと微笑みながら去って行った。


それ以来、何度かサインを書く場面があったのだが

全て、ごくごく普通に漢字4文字を並べた「八木虎造」を書くのだが

ウケは抜群に良い。


今日サインを書いていると、1人のチビッコから

「で、オレの“マルコ”って名前も日本語で書いて!!」

と言われ、「丸子へ 八木虎造」と書いてあげた。

「ねぇこれでどうやって“マルコ”って読むの??」

おい、それなら「ねぇこれでどうやって“ヤギトラゾウ”って読むの?」

って聞け!僕を気づかえ。そんなことを思いながらも

「これが“マ”これが“ル”これが“コ”」

「うわーすげぇ!かっこいい、オレの名前!!」

満足だったらしい。みんなに自慢している。


するとチビッコが僕のもとに全員集合してきて

「ねぇ、僕にも書いてよ!」と言ってきた。

でも紙がない。

すると1人がグラウンドに落ちていたケーキの包み紙を探し出してきて

「これに書いてよ!!」

僕はその紙を適当に破り、1人1人に

「安土麗亜へ 八木虎造」「地安似へ 八木虎造」「猿暴へ 八木虎造」

などと書いてあげた。

「ねぇ、どれがアンドレア?」「どれがジャンニ?」「どれがサルボ?」

いちいち説明もつけてあげる。

「すげぇこれでアンドレアだー!」とか言いながら去って行った。


おい、大事にしろよ、僕のサイン・・・

2006年7 月15日 (土) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)

あほ、間抜け、使えない奴。それをシチリアでは「コルヌート」と言う。

はい、僕のことでございます・・・

Giacc1


日曜の試合は2試合あった。

1試合目、よくわからないうちに1対11でコールド負け。

朝っぱらというのもあったのか身体が起きていないせいか

いつの間にか試合が終わってしまった。例のフォアボール病だ。

それでも1番サードで出場した僕は

4打数2安打、そして唯一の得点者で

まぁそこそこ活躍できたんではないかと。


Giacc2


問題は2試合目。

試合は両チームのエースが投げあい

途中スコールで中断するも、あまり試合のリズムに影響はなく

非常に引き締まったゲームになり、9対11のまま8回まで進んだ。

(この得点でもかなりピリッとしている・笑)


勘だったのだが、とても大事な試合になる気がしていた。

監督も入れ込んでいた。

今年はふがいない試合が異常に多い。

このリーグを優勝して当然のメンバーが揃っているはずなのに

全員が揃わない、ただそれだけの理由で負け続けた。

いや、理由はもっと他にもたくさんあったと思う。

とにかくよくわからない負け方をする。そして優勝戦線、陥落。

そんなフラストレーションが溜まりまくっていたときに

この日の対戦相手、現在首位を走っているカターニャを迎える。

「一矢報いる」その気持ちはかなり強かった。

数日前に「僕はこの試合のために東京からここに来たんだ☆」

などと、偉そうに選手数人に話していた。


そして迎えた8回の裏、2アウト2,3塁。一打同点のケースで僕の打席。

まさにその通りの場面到来。ヒット1本でヒーローになれる。


打席に立つ。

突然、頭が混乱し始める。

「さっきの打席でカーブをヒットしてるから・・・

でもその前の打席ではカーブで凡退しているし・・・

とりあえず最初はストレートを待っておこうか??」

そしてバットを持っている手の握力が弱くなっていることに気づく。

「あ、2試合だもんなぁ・・・手に力が入ってないわ・・・

 なんか、外野まで飛ぶ気がしないな・・・」

もうこんな状況、絶対にダメだ。


気が付いたら初球をバットに当てただけのショートゴロだった・・・

ファーストベースを駆け抜け、

相手チームの選手たちが意気揚々とベンチに戻っていく光景を見て

とんでもないことをしてしまったと思った。


試合はそのまま何事もなく、9対11で終了。

3日たった今でも、あのときの光景が目に浮かぶ。

そして無闇にバットに当てた瞬間のこと・・・

ベッドに入ると必ず思い出す。眠れない。

なんで急に頭が混乱したのか?

「タイムを取って、頭を整理し直してから打席に立ってば良かったな」

とか

「あの球を振り抜かないで、なんで当てただけだったのか?」

なんて考え出すと、自分のダメさ加減に腹が立ってくる。


「もう忘れなければ、次がある」そう思っても中々すっきりしない。

でも、もう数日後にはリーグ最終戦だ。

(トーナメント戦が9月から始まるのだが)


短期間だけれど、もう1度ゼロからやり直そう。

走るところから、バットを持つところから。

そうするしか道がない気がする。


しかしなんで、たかだかヒット1本のことで

人生終わったみたいな感情が出てくるんだ??(笑)

草野球を何年やってんだよ?っていう僕が

こんな場面は腐るほど経験しているはずなのに

多摩川沿いで野球をやっていたころよりも、確実に

感情の波が激しい。やっぱ助っ人感情があるからかなぁ?

なんか切羽詰まる。自分の居場所すらなくなった気がする。

完全に考えすぎだ(笑)

いや、きっと感情の波が激しくなるのは、シチリアの太陽のせいだな☆

2006年7 月13日 (木) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)

明日のためにシチリアに来た男。

Ricca


明日9日、チームパレルモは大一番を迎える。

今シーズン最後のダブルヘッダー

そして対戦相手は現在首位を走るカターニャ。


木曜日の練習中、監督が僕に語りかけてきた。

「ヤギ、次の試合オマエ8安打打て!」

2試合で8ヒット。いいねぇハードル高くて。

「それからスタッフと相談して決めるけど

俺はお前を2番に置きたいんだよ」

きた、2番。僕の中で軽く微妙・・・


今シーズン1番バッターが指定席だったのに

重要な試合になると僕は2番を打たされた。

そしてバントを決め、ヒットエンドランを決めと

色々2番の仕事をしてきた。

でも、なんとなくこの打順にいると僕は打てない。

この前の試合も2番で先発、散々の成績で

なんとなくバッティングが狂った気がする。

でも今回の「2番」、僕は今までとは全く違う気持ちで臨める。


この前の野球教室で、チビッコたちに監督は打順の意味を教えていた。

「いいかぁ!2番バッターは1番バッターが出塁したあとに

色々な手で彼を前の塁に進めるんだ。

自分を殺してチームの為に貢献する一番重要なポジションだ。

オレは選手のときにずっと2番バッターをやってきた。

すごく素晴らしいポジションだ。」

監督が現役時代、2番を打っていたことを始めて知った。


彼はイタリア野球セリエ、初の外国人選手。

イタリア人の奥さんをもらった関係で

途中から登録はイタリア人になったらしいが

監督になった今でも、完全に南米そのものの野球を僕らに教える。


監督が現役のときは、それはそれは大変だったらしい。

用具がないので、知り合いがアメリカに旅行に行くときに

グローブの絵などを描いて1つずつ買ってきてもらったり

ルールを全く知らない連中のなかに混じって

選手ながら、監督達にも1から野球を教えたそうだ。


そうまでして「野球発展途上国でプレーする」なんで???

その質問は、彼にする必要もないだろう。

僕もその気持ちは充分にわかる。

そんな彼から受け継ぐ「2番」

気持ちが引き締まった。


彼は言った。

「ヤギ、オマエがここに戻ってきて、一番重要な試合が明日だ。

オマエはこのチームと試合をしたことがないから

相手チームにまったく知られていないんだよ。頼むぞ!!」

・・・ん??

去年も闘ったし、今年も僕はこのチームとの試合に出場している。

相手選手の一人と写真を撮りあい、メールを送りあう仲なんですけど・・・

誰かと間違えてない??? まぁいいや(笑)


明日の試合のために僕はここに来た。

2006年7 月 9日 (日) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

ポジティブすぎるやつら☆

Po1


劇的勝利を収めた我らがチームパレルモは

翌日から選手間で、いつも以上のメール交換が始まった。

「日曜日の勝利は俺たちを1つにした」だの

「みんなの気持ちで勝った」だのと続き

弁護士の選手が、中世だかの戦争のうんちくを語り

「だからオレたちは大きな船にも勝ったんだ!!」

などと意味不明の結末にまで発展したりと

それはそれは歯の浮くようなセリフを並べたメッセージの嵐だった。


「おう!ところでいつも即行メールをよこしてくる

 イエローモンキー(もちろん僕のこと)が、全くメールを書いてこないな!!

 日本のエロ画像のネタが切れたのか??」

と、ある選手からメッセージが届く。


う~ん、オマエらには付いていけんよ・・・

その中世だかの貴族の話やら、勝利の法則やらその手の話は良しとしよう。

だが、オマエらのメールの後半部分に僕は気に入らねぇ!!


みんなのメール、後半部分は判で押したように

「ところで火曜日の練習なんだが・・・やるの??」

ってなんだよ!!!!あぁやるよ!!やらせろよ!!!

「木曜日も練習あるから、火曜日は休みにしてもいいよね??」

ってどんな理論だよ!!

弁護士、オマエが筋の通らない会話してどうする!?


この、「火曜」とは

サッカーワールドカップのイタリア-ドイツ戦が行われた日で

試合開始はイタリア時間で21:00。

練習終了時間が通常19:30くらいなので、充分お釣りがくるだろ!!


僕の敬愛するアントニーオ本多のセリフをパクリつつ、さっそくメールを書く。

「こんにちFUCK!こんにちFUCK!!

 クソFUCKIN’パレルモ人の皆さんこんにちは!!

 僕は猿なのでパスタは食べません。毎日3回リゾットを食べています。

 食後のジェラートも大嫌いです。海の日焼けも早死にするのでやりません。

 そして僕はボールを打ったり投げたりすることは好きですが

 ボールを蹴ることには興味がありません。

 小さい頃、野球のボールを蹴ったら監督に殴られました。

 そして僕は彼に“ありがとうございました!”と言いました

 ところでみんな、日曜日は何の日か知っていますか?

 ワールドカップの決勝戦と僕たちの試合の両方があります。

 決勝戦は午後20:00開始で

 おそらく僕たちもパレルモ-カターニャ戦の真っ最中です。

 さて質問です。

 あなた達はサッカーと野球のどちらを選びますか??」


という内容のメールを送った。


一気にみんなのテンションが落ちたのか

しばらくしてもレスが一向に来ない・・・

5時間、6時間・・・火曜日当日になってしまった。

おいおい、僕が悪いことしたみたいじゃないかよ!!!

なんなんだよ・・・


そして監督からメッセージが届く。

「おう、オマエら練習場の時間変更をしてきたぞ!

 16:00~18:00だ!

 おう、オレたちは次の試合も勝たなくてはいけない!!

 全員出席しろ!!!」


ホンキで思ってるか、監督よー??

ベネズエラ人のクセにデルピエロの大ファンで

10日ほど前のイタリア戦のとき、アンタ練習無断欠席したよな!?

なんか完全に僕がヒールになってないか!?


そして僕はここイタリアの大地で

「絶対にイタリア負けろ!」と願い続けた

かなり稀有な存在になってイタリア-ドイツ戦を鑑賞。

そしてその願いは砕け散ることとなった・・・


Po2

2006年7 月 9日 (日) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

勝利と守備の人。もはや昔話。

Santi


このまえの日曜日の話だ。

大きな溝ができてしまったこのチームが

また元に戻るためには、やっぱり勝つことだった。


亀裂のきっかけになった選手と、それに噛み付いた数選手は

試合に来ないだろうという話を他の選手たちから試合前に聞いた。

たかだかエラーでここまでになってしまったなんて

何かバカバカしく感じる。

でももう試合が始まってしまうので

球場にいる選手たちにはどうにもできない。


そして準備運動を始めようかというころになって

その選手たちがぽつぽつとやってきた。

亀裂のきっかけになった選手はキャッチャーマスクを手にして球場入り。


そうだった、今日はいつもこのチームのキャッチャーを務めていた選手が

ケガをしてしまって試合に出られないんだった。

誰もやりたがらないキャッチャーを、彼は自ら進んで志願したのか。


「今日はオマエがキャッチャーか!いいな、僕と替わってよ」

僕は彼に冗談を言う。

「ヤギ、オマエには負けねぇ!

あ、ミット貸して。アイツ(正捕手)のミット使いづらくて」

なんとなく「あぁ、もう落ち込んでない。彼は大丈夫だな」

という感じがした。

その彼とケンカをしてしまった数名もベンチにやってくる。

そっけない挨拶をしていたのだけれど、なんか「もう終わったんだな」

という気がした。


試合。

我がチームのエースが久々に戻ってきた。

家庭の事情で中々今シーズンは試合に顔を出せなかったようなのだが

練習にはいつも出席していた。

球が軽快。何よりフォアボールが出ない。

相手のレッジオは打撃が売りのチームなのだが、凡打を重ねる。

サードを守っていた僕とショートにボールが集まる。

僕はぼこぼこのグラウンドと闘いながらも、なんとか0エラーで乗り切った。


試合は均衡した。

チーム・パレルモ、常に2点リードのままお互いに点を重ね

9回表を逃げ切ればパレルモの勝利というところまで突入。9-7。


最初のバッターが僕の左横に鋭い打球を打つ。

僕は横っ飛びでその球を抑え、ファーストに送る。1アウト。

いままでキャッチャーしかやったことのなかった僕が

おそらく生まれて初めてやった横っ飛びアウト。

勝手に身体が飛んでいた。

「僕は集中できている」そう感じた。

そして味方ベンチと野手から大歓声。

その表情が「俺たちはいける」という顔つきだった。絶対に勝てる!


しかし2アウト、ランナー2塁で

レフト前にヒットを打たれてしまう。

僕はこのプレーのときにレフトの中継をしていた。

レフトが僕に球を投げて、僕がホームベースに投げるというプレーだ。

2塁ランナーの飛び出しが良く

もうホームに投げても間に合わないと判断したので

僕はホームに投げる偽投をしたあとに

ヒットを打った選手が1塁を蹴って、2塁に向かったのを確認。

僕はそのランナーを追いかけ、挟み、タッチアウト。

試合終了、9-8。 パレルモ勝利!!!


その瞬間、選手が僕のところに集まってきた。

「おぉ!さすがクソニッポン!!バカイエローモンキー!!!」

みんなで熱い抱擁。

監督までがダッシュでその輪に加わりみんなで飛び跳ねる。

先週のふがいなさを忘れるくらいの喜びようで

いままで溜まりまくったストレスを大発散。

もう訳がわからなくなるまではしゃいだ。


そしてみんなでベンチに戻るとき、

先週ケンカをした選手たちがお互いにもじもじした口調で

「・・・悪かったな」「おう、オレも悪かったな」と短い会話をしている。

僕はそれを背中で聞きながら

今日このチームに貢献できて本当に良かったと思った。

僕のその日の打撃成績4-0。2三振、1ゲッツー。

イタリアに来てこんなに最悪の成績は初めてだ。

でもそんなことは本当にどうでも良かった。


10回の守備機会を全て無難に、

そして最後まで「今日は絶対に負けられない」という

チーム全員の想いを感じながらプレーした。

そんな暑い、熱い1日だった。

2006年7 月 9日 (日) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

未知との遭遇 a Palermo

Pr03


明日の対戦相手、レッジオカラブリア。

このリーグで唯一のシチリア以外のチーム。

彼らはフェリーで本島を離れ、車を使いパレルモまでやってくる。

おそらく5時間ほどの移動をして、試合に臨むことになる。

当然僕らもアウェ戦のときはシチリアを離れて5時間ほどかけて

レッジオカラブリアに行かなければいけないのだが

僕はこの移動が大好きだった。


イタリア本島とシチリア島は3キロくらいしか離れていない。

フェリーに車を入れて甲板に出ると、イタリア独特の色をした海を見ながら

ゆっくりとフェリーが本島まで運んでくれる。

この海を見ると不思議な気持ちになる。

旅行者として数年前にこの海を何回か見た。


1度目は、写真の師匠から半ば強制的に海外旅行をさせられ

「初海外旅行、一人旅」の洗礼をたっぷりと浴びながら

クリスマスの日にこの海を渡っていた。

ヨーロッパでクリスマスに移動、お客さんたちは僕も含めて

「陰」という言葉がぴったりだった(笑)


2度目はガールフレンドと、夜中にこの海を渡った。

甲板からみた景色は、まさに「漆黒」という感じの

どこを見渡してもどすんと暗い闇だった。

2人でそれを見つめながら渡った。一生忘れない。


3度目は野球選手だった。チームメイトと

「ヤギ、カラブリア語でチン●って何て言うか知ってるか??」

などと言って爆笑しながら渡った。


さて、このチーム・レッジオカラブリア

日本人選手がいるらしい。

「らしい」というのは

もうシチリアに来て何度もこのチームと試合をしているのだが

1度もその人に会ったことがないからだ。

レッジオの選手から「俺たちのチームにも日本人がいるんだ!!」

と教えられたのだが、いつも休み。「タカハッシ」という人らしい。

ぜひお会いしたい。タカハッシさんに。

そして一緒に試合がしてみたい。


日本人対決!!なんかステキすぎる響きだ☆

数年前、イタリアのサッカーで観られた

「ナカターナカムラ」対決とかぶっているなと自分を鼓舞している(笑)

2006年7 月 2日 (日) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (8) | トラックバック (0)

負け癖とチーム崩壊

Finito


日曜日の負けはチームに大きな穴を開けてしまった。


今日練習に行くと選手が4人しかいない。

平日の夕方とは言え、みんな各々仕事に都合をつけて

だいたい常に10人くらいが集まって練習をしている。

あきらかに何か理由があって練習に来ていない選手がいる。


伏線はあった。

日曜日の試合後、痛恨のエラーをした一人が

着替えもせずに自分の車に乗って帰ってしまった。

彼はチームの4番バッターで、今のチームは

自分で言うのもなんだけど

攻撃面は、僕と彼ともう一人の選手の3人で支えている。

去年もチームパレルモのレギュラーだった3人だ。


そしてそのエラーをした彼は、ちょっとクチが悪いというか

試合中にミス続いたチームを鼓舞するために

いつもちょっとクチ汚い言葉を選んで使う。

チームが勝っているときは、みんな冷静なので

彼特有のやり方も気にならないけれど

負けがこんでいるときに、彼の一言一言はきっと重い。

そんな彼がエラーを連発して敗戦。


そして日曜日の試合後、それに我慢できなくなった選手が数名いた。

彼らは「アイツを慰めてやろうと思ったのに、すぐ帰りやがって!!

俺はアイツのやり方が納得できないよ」そして

「普段いつも色々言うクセに、自分はすぐ逃げやがって」

などと言っていた。


そしてその数名が練習に来ていない。

「仕事で来れなかった」という理由であって欲しい・・・

しかしそのうちの一人からメールが届く。

「日曜日の試合は行く。でも今日の練習は行く気になれない」

あぁ、ついに経験した。

あれだけ仲の良かったチームに、初めての亀裂・・・


エラーは仕方のない事だと思う。それだけが敗因なんて言えないし

僕からすれば、フォアボールを5つ以上出してる時点で勝てる野球をやろうなんて

そんな虫のいい話、聞いたことがない。

日本の野球についてだったら、いくらでも語れるし

そこの考え方を持ってくるのだったら

このチームに言いたいことはたくさんある。

でもそんなことが一切あてはまらないことは、もう僕もわかっている。


「イタリア人は陽気」というイメージは誰が植え付けたのだろう?

負けがこんでいるときのイタリア人は、暗く陰湿だ。

とことんまでネガティブな話題で、負けを他人のせいにする。

「OK、OK。次頑張ろう☆」とは決してならない。

今日も練習前に誰のエラーがダメだったの、誰の凡退は決定的だったのと

言い合っていた。話題に入る気になれない。

その試合から何日経ってるんだよ!もう次の試合がすぐなのに・・・


今年は近年にないくらい負け続けているらしい。

負けてネガティブになり

その気持ちを引きずったまま、次の試合でまた負け。

そこで気持ちを切らずにそのまま、また次へ・・・超悪循環・・・


このままの雰囲気では、きっと次も勝てない気がする。

去年チームが落ち込んだとき

なんとなく僕とアメリカ人選手が盛り上げ役だったなぁ

なんてことを思い出した。

2006年6 月30日 (金) カテゴリー: イタリア・野球 | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)

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