(3月の頭に書いたものです。パソコンがぶっ壊れてアップし忘れていました)
日中、あまりに寒いので外出をためらうも
せっかくなので観光してみた。
リトアニアの街自体はどこも小さく、街並みはすごくキレイだ。
観光用のガイドブックを手にし、色々と情報を探す。
そして『KGB ミュージアム』の文字をみつける。
KGB!!すげえ、実在してたのか(笑)
さっそく向かう。館内は現代風の展示にアレンジされて
あまり面白くないが、地下の拘置所跡というのがすごい。
使われていたときのまま残され、なんとも重々しい空気で
パレルモにあったカタコンベ(ミイラをびっしりと並べた地下回廊)
を思い起こさせ、その薄気味の悪さがなかなかステキだ。
KGBミュージアムを出て、街中を歩いていると
ふとサッカーのことを思い出す。
「たしか今日ってチャンピオンズリーグじゃなかったか?」
確かではない、でもそんな気がした。
もし開催日なら、そろそろ試合開始の時間だ。
そしてちょうどグッドタイミングにもスポーツバーを発見する。
さっそく店内に入ると、予想通り50~60人ほどの若者たちが
それぞれ店内を陣取り、その始まりを今か今かと待ちわび
ビールなどを飲みながら談笑している。
「あ、やっぱ今日はチャンピオンズリーグだな」と確信し
僕も席に座ってビールを注文する。
そして待つこと10分ほど、店内に拍手が起こる。
「お、始まったか!?」と店内のスクリーンに目をやると
なんとバスケの試合映像が流れている!!
彼らは「待ってました!」と言わんばかりに
大きな拍手で画面内の選手たちを迎える。
おそらくこの時間、ヨーロッパ中の男子は酒を飲んだり夕食をとったりしながら
チャンピオンズリーグを観ているはずだ。
しかしここは治外法権。
僕もその心意気には大いに共鳴したいが、しかし流れているのはバスケだ。
う~ん・・・
僕は趣向を変えて
バスケを観るリトアニア人たちの動向をうかがってみることにした。
たしかリトアニアの国技ってバスケだったような・・・だからだろうか
店内には女性客も多く、僕のよくわからない場面でも
たぶん「違う!」とか「うまい!」とか声を出していた。
そして店内全体で1プレー1プレーに大きな拍手が行き交う。
なので、この試合を観ながら僕は300回とか
それくらいは彼らの拍手を聞いただろうか?律儀だ。
リトアニア人は大酒飲みが多いような気がするが
なんせ彼らは試合中に何度も拍手をしなくてはならないので
ビールを飲んでいる暇は全くない。
試合中に追加注文をしたのは僕だけだった。
試合はどうやらバスケ版ヨーロッパ・チャンピオンズリーグ
と言った感じなのだろうか、リトアニアの一地方が名前に入ったチームと
ドイツの一地方が名前に入ったチームの闘いだった。
当然店内の観客は皆リトアニア側を応援していた。
そして試合は終盤、あと1分ほどで試合終了という状況になる。
点差は15点、リトアニア側の圧倒的なリードだ。
店内は、さぞかし圧勝ムードでビールなんか飲み始めてるのかと思いきや
皆今まで以上に熱視線でTV画面にかぶりついている。
ドイツ側がボールを持ち走り出すと
まるでこの世の終わりかのような悲鳴が店内に響く
15点差ですよねぇ??
あと1分で15点差は、さすがにひっくり返らないだろ!!
え? ひっくり返るの??
結局リトアニア側がこの点差を守りきり試合終了。
その瞬間店内は割れんばかりの拍手で包まれる。
皆「よかった~」とホッとしている。
そして近くにいた若者たちが僕に握手を求めてきた。
「どこから来たの?やっぱバスケ好きなの??」
「うん!大好き!!」と言っておいたが・・・
やっぱバスケ、良くわかんないや。