(写真1・練習後、おもむろに野球談義が始まる)
イタリアに住んでいるとき、フラストレーションの溜まることがあった。
それは、街行く男どもがたいしてろくに仕事もせずに
毎日毎日サッカーの話ばかりしていたことだ。
僕の仕事場にやって来ては毎日毎日「あのチームがどう」だの
「オレのチームが弱い」だのと、よくもネタが切れないなと思うほど
話し続けやがる。
「ヤギ、日本人のオマエから見て、オレのチームには何が足らない??」
知るか。オマエの労働意欲が足らないことだけが不満だ。
そして、こういうオッサンが
実はシチリアで一番デカイ銀行の、相当のポストの人だったりする。
つまり職種、有無職関係なく、男は皆サッカーの話ばかりしていた。
いや、別にサッカーが嫌いじゃないんだよ、僕は
むしろヨーロッパ独特のサッカー場の雰囲気は、男臭くて大好きだし
住んでる街の名前をしょってるチームの動向は
やっぱり絶えず気にしていたし。
でもねぇ・・・入り込めないのよ、なんとなく。
「なんでオレのチームのあの選手は、あの時間帯にファールをもらったのか?」
という話を、1週間ひたすらし続ける気にはなれないって。
そんなの本人以外わかる訳ねぇだろ(笑)
ところがキューバの男共は、これの野球版をやるのだ。
朝から晩まで野球の話ばかりする
“オレのチーム”“オレの国の代表選手”そして締めは必ず
“WBCでなぜキューバは日本に敗れたのか?”
「先発の順番が間違ってたんだよ!」「いや、オーダが気にいらねぇ!」
サッカーの1週間どころの話ではない。
WBCって1年前のことなんですけど・・・
(写真2・1時間後。人が入れ替わっているが、相変わらず野球談義)
さらに、僕の顔を見ると飛びつくように話し出す男共がわんさかいる。
「オマエ日本人か!あの決勝戦だけどさ~」
すいません、僕ほとんど観てないんです・・・
しかしキューバ男はそんなことでは屈しない。
「ワタナベシュンスケのアンダースローは素晴らしい!
なぜなら手首が・・・」
と、実演付きで説明してくれる。わかってるなぁ、キューバ男☆
だから、僕がもっとスペイン語を上手く話せるようになったら
“神様・パレッ”の素晴らしさについて、キューバ男たちにとつとつと語るつもりだ。
例えば、『明日この世が終わる』なんてありがちな想像をしてみる
間違いなくキューバ男子のほとんどは
「う~ん、とりあえず野球やっとくか!?」となるはずだ(笑)
そしたら頼む、仲間に入れてくれ!
間違いなくここは楽園だ☆
(写真3・ついに照明が落とされても談義し続ける彼ら。
球場管理の責任者と、この球場をホームにしている監督、そしてその対戦相手の監督
の3者なので、もはや止められる者はナシ・・・)
俺らなら世界の終わりに仙台対山形の試合を見たい長野対松本もだが
たぶん、中日ドラゴンズでゼロ戦のパイロットに成って死んだ人が居たが、出撃前の最後キャッチボールのをした彼も彼の世界の終わりを野球で楽しんだのだ
投稿情報: ベマニア | 2007年9 月 7日 (金) 12:09