すごい奴ら発見!!
彼らの持っているノートに注目だ!
新聞記事やらインターネットの写真なんかをプリントアウトして
ノートにべたべたと貼っている。
キューバには野球の雑誌は全く無かった。
本も数年前に出版されたルールブックのようなものしかなく
新聞記事も、毎日4分の1ページに野球の記事が載っているが
写真が掲載される日はかなり稀だ。
とにかく紙媒体になっている野球関連のものがほとんど無い。
そんな状況の中、彼らは自分のノートに野球の写真を貼りまくる。
「インターネットから取っている」と彼らは言っていたが
キューバ家庭にパソコンがあるというのはほとんど有り得ないことなので
きっと学校のパソコンの授業なんかに、授業そっちのけで
ひたすら野球ページをのぞいて写真をかっぱらっているんだろう(笑)
そして彼らはこのノートを盾に、球場の関係者入り口前で待ち伏せし
「●●のサインが欲しいんだけど」と係員のオッチャンに頼み込み
普段なら門前払いのところを、あまりにも彼らが持っているノートがすごかったので
特別に観客席まで入れてもらったそうだ。
そして練習中の選手たちに観客席から声をかけまくる。
1人の選手が彼らの元に歩み寄り、あまりにすごいノートを見て
他の選手を呼び寄せる。そして選手たちの輪ができ
それぞれ自分の写真のところにサインをしてあげるということになった。
ところがグラウンドと観客席を隔てるネットが邪魔で
うまくサインできないようで、ついに彼らは選手たちの許可をもらって
グラウンド内に足を踏み入れた。
7,8人の選手たちがそれぞれ自分の写真の上にサインを入れる。
きっと本人ですら見たことのない写真ばかりなのだろう
すごくうれしそうだ。
練習中にグラウンド内に入れてもらっていた僕は
「この時間は写真撮影禁止だから!」と
練習風景などを撮ることを係員のオバチャンにきつく禁止されていた上に
ぴったりと僕の後ろに張り付いて、一部始終をマークされていたので
隠し撮りもできなかったが、なぜか「彼らを撮りたいんだけど・・・」
と言ったときだけは許可が下りた(笑)
彼らの表情をのぞく。きっとスーパースターたちにたくさんサインしてもらって
さぞかし笑顔がこぼれているかと思いきや、本人たちは無表情のまま
「はい次は●●。その次は●●●、ここにサインして!」
と、なぜか義務的な感じで選手たちにサインする場所を指示している。
表情に変化は無い・・・全世界共通、おくゆかしいオタク道まっしぐら
と言う感じがしてくる(笑)
一通りサインが終わった後、彼らに「日本人選手はないの??」
と聞いてみた。彼らはリュックサックから別のノートを取り出した。
リュックの中に7,8冊はある・・・
彼らは『キューバ』『メジャー』『その他』とノートを分けていた。
そして、日本人の写真が載っているページを見せてもらう。
ほとんどが日本人メジャーリーガーかWBCのときの写真だ。
そしてその中にイチローのレーザービームの写真を発見する。
たぶんネットでたくさん流れている例の動画を
無理矢理プリントアウトしたもののようで、画質が相当悪い。
だが、この画像をあえてノートに貼っている彼らのマニアぶりに
ついうなり声を上げてしまう僕。
それを聞いて、いままで表情1つ変えなかった彼らの顔つきが
一瞬だけ変わった。
ちょっとアゴを突き上げた、上から目線で
「日本ではベースボールのことをヤキュウっていうんでしょ」
とさりげなく豆知識まで披露された。う~ん、その通りでございます。
ぜひ彼らにイタリア野球の項目を作ってもらいたい。
僕は彼らのノートにサインさせてもらえる日を夢見ている(笑)
中学の頃、「ぶーまん」て呼ばれてる子がいて、
いつも、見えないボールを投げて、打って、走ってとって、実況中継までしていました。
私や同級生には彼の打つボールが見えなかったので、彼はかなりの名士として名を馳せておりました。
そんな彼も、似たようなノートをつけていたような・・。今なにしてんだろ。立派なおっさんだよな。
ところでこの右側のノート、すごいね!
私はぎっちり整ったレイアウトが好きです。
将来デザイナーになっちゃったりして。
こいつ、A型かな。
投稿情報: UNIKO | 2007年3 月16日 (金) 13:08