サンタクララに来て
なぜかソフトボールチームと一緒に行動することが多くなり
「ヤギ、明日あのグラウンドに9時集合な!」
とか、スケジュールを勝手に押さえられ
かと言って観光するような気もさらさらないので
次の日についグラウンドに行ってしまうと言う日々を送っていた。
そして知り合いから「オマエ、サンティアゴ デ クーバに興味ある??」
と聞かれ「何それ?」「キューバの右側にある街。野球が盛んだぞ」
とヨダレモノの一言を聞く。
「行きたい!」
「そうかそうか!
よし、俺たちは明日から遠征でサンティアゴに行くんだよ
オマエも一緒に来い」
こうして、ヴィアクララ女子ソフトボールチームと一緒に
サンティアゴに向かうことになった。
バスがすごい!
「50年前のバスだから・・・」なんて運転手は言い訳していたが
嘘つけ!絶対にもっと古いだろ!!と言いたくなるアンティークっぷり!!
裏原宿あたりで、このバスに似た
お洒落なブリキのバスを何度も見かけたことがあるのだが
風体こそ似ているが、おそらく中身は全然違うだろう。
乗っていると、30分もせずに尻がつらくなる・・・
イスなんてシャレたものはこのバスにはない。
腰と尻の辺りに、薄っぺらいプラスティックの板があるだけだ。
そしてバスは、揺れるなんてもんじゃない。
相当に三半規管の強い人でも、まず目が回るだろう。僕がそうだ。
さらに、エンジンが「グォオオオ!!」と
耕うん機みたいな爆音を常に鳴らすので
クラブさながら、耳元に口を添えて大声で
「あのさぁ!」「あぁっ!?いま何って言った!?」
聞き返したところで、まともに理解できる可能性はほぼない。
1時間おきくらいにバスを一端停めて休憩をとる。
さすがにキューバ人たちも、このバスに長時間閉じ込められるのはつらいようだ。
日本の田舎にもある、農道にぽつんと野菜だのイモだのを売っている店の前に停まり
勝手にその店の裏手のトイレを使う。トイレと言うか『枠』。
木の枠で囲われた桶みたいなところに
命中するようにコントロールしながら排泄。そして水で流す必要は無い。
むき出しのボットン便所みたいな感じだ。
そして、このトイレに並ぶのがかったるい連中は茂みに入り
用を足している。込み入った話でアレだが、小はティッシュなし
大になるとティッシュが必要らしく
みんなで1つのロールティッシュを投げっこしながら
用事を済ませている。
しかも、「あぁすっきりしたぁ」と言わんばかりに
チャックやベルトなんかをずり上げながら
立小便後のオッサンのような感じでバスに戻って来る
14歳から34歳の女子全員がだ。なんか、すげえカルチャーショックだ(笑)
そして朝の8時、監督(知り合い)が
ラム酒を買って選手みんなに振る舞い始める。
宴が始まった。 歌い、踊り、飲む!
彼女たちはこのあと、午後3時から練習試合を1つ控えているのだが
完全に「そんなことはどうでもいい」といった雰囲気だ。
どんどんラム酒のボトルが空いてゆく・・・
ついには泥酔者が出始め、酒の肴として僕が餌食になる・・・
酒をガンガン注がれ、イッキ強要。日本語の歌を独唱させられ
とどめに
「ヤギ、腰触れ!腰触れ、ヤギ!!」
と、大合唱でのご指名を受ける。
おもむろに立ち上がって、腰をカクカクとやる。
「振り方が甘い!」と、ゲラゲラ大爆笑する女子たち
すげぇな、キューバ女子・・・
そして途中バスを降りて1試合、その後
腹ごしらえにビール屋に行き、さらに浴びるほどみんなで飲み
さらに乗り込んだバス車内の祭りは激しさを増し
運転手以外のほぼ全員がぐでんぐでんになりだし
数人が窓に顔を押し出し、口から何やら出し始めた夜中ごろに
バスはサンティアゴ デ クーバに到着した。
彼女たちはこの数時間後の午前8時から
連続して4試合をこなさなければいけない
そんなことを百も承知で、この旅行程・・・
ラテンってすげぇな~。
うわっ、カッチョイイ~バス!
投稿情報: goto | 2007年2 月16日 (金) 11:16