久々の再会。チームメイトは皆、相変わらずで
「オマエなんで日本からエロDVD持って来てくれないんだよ!?」
「キューバかぁ~。キューバの女は美人だぞー」
「オレさぁ・・・オマエも知ってる彼女にフラれたんだよ・・・
1回浮気しただけなのに・・・」
などと、なんとも返答しづらい報告ばかりしてきやがる(笑)
ここを離れてわずか3ヶ月
シーズンオフで会う機会が減ったというくらいのタイムラグなので
あまり感慨らしいものが無かった。
けれどやっぱりこうして会うのは、ものすごく心が弾む。
くだらない話ばかりしているうちに
目の前にあったピザは食後の酒に変わり
時間だけがあっという間に過ぎていってしまった・・・
別れ際、みんなと抱擁する。
急に『来年は彼らと一緒にプレーしないかも。と言うか、しないだろうな』
と思っていたことを思い出す・・・
「ヤギ、いつパレルモに帰って来るんだよ?」
「・・・春かな・・・」
返事を濁した。涙が出そうだった。
「ヤギ、来年はナイターが増えるんだぜ!
で、土曜日の夜に試合するからたくさん観客が来るよ。
またオマエが観客に中指立てるの見たいなぁ~あははは☆」
何も言えなかった。
恨むほど暑かった真夏の試合を思い出す。
グラウンドはサッカー場にベースを置いただけで
観客は野球の『や』の字も知らず
「ニンジャ、走れ!ニンジャ!!わっはっは」と
応援なのかヤジなのかわからない言葉たち・・・
そんなことは一切かまわず必死の選手たち。
フォアボール、デッドボールを連発し
得点は25点をはじき出す、そのくせ息を呑むシーソーゲーム
乱闘は1試合に1回は必ず起こり
審判はクレームの度にジャッジを変え
そんな中で、何でここまで熱くなれるのか?と
当事者も疑問に思ってしまうほどの熱血試合のオンパレード・・・
当然のことだけれど、僕がいなくたって
チーム・パレルモは春から野球漬けになり
僕が守っていた守備は埋まり
負けてケンカしたり、勝って踊りまくったり
僕がここで経験していた全てをまたみんなやるんだと思う。
もう2度とあんな野球が出来ないのかと思うと
やっぱりちょっと寂しくなる・・・
気持ちの整理がつかないまま、みんなと別れた。
明日キューバに向かうそのことを必死に考えることにして
色んな気持ちを抑えることにした。振り払えそうにもないけど(笑)
野球をやっていて本当に良かったな☆
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