おととい、なぜか神宮球場に行った。
高校野球東東京大会の決勝戦、帝京-雪谷。
仕事と仕事の空き時間を利用してと言えば聞こえはいいが
実のところけっこうな無茶をしたうえで、
僕にとっては、縁もゆかりもない高校同士の試合を観戦した。
理由は、この試合に勝ち進んだ学校の野球部OBだった友人が
テンション高く僕にメールをしてきたからだ。
普段は僕のほうからメールを投げたとしても
彼からの返事は全く見込めないという
典型的な男子のITマナーを持ち合わせているはずなのに
今回に限っては、野球ボールの絵文字などを駆使して
「我が母校がついに・・・」などとノリノリの文が書かれていた。
もう彼は高校を卒業して10年以上も経つのに、
なんなんだろうこのテンションの高さは??
そんなことを思い始めたら、どうしても直接生観戦してみたくなった。
24-1で帝京の優勝。帝京強い!
でも点差ほどに力の差は無かったと思う。
初回の攻撃で完全に波に乗った帝京と、それに動揺してしまった雪谷が
そのテンションのままにゲームを進めた結果が
この数字に表れてしまったように感じた。
高校野球、いい!!!
鍛えあげられまくった選手たちによる
ノックやボール回しなんて、うっとりし通しだったし、
ノッカーにぴったりと張り付いている背番号のない選手が
ボールをノッカーにさっと渡すタイミングの良さは、完全に様式美の領域だった。
それに帝京の、体がそれほど大きくない投手が
めちゃめちゃキレまくりの速い球を投げたり
大量点を挙げていても、とことん1点を貪欲に取りにいく野球に
百戦錬磨の格が垣間見えたり、
それに必死に喰らいつく雪谷が苦労の末に1点をもぎ獲った場面は
本当に胸が熱くなった。
今さらすぎるが、なんで僕は高校野球をやらなかったんだろう?
僕の知っている、あのころの夏とは
でっかい砂袋に全速力でタックルしたり
謎の鉄のかたまりに向かって数人でスクラムを組んで
ヒーヒー言いながらその鉄を一緒に押し続けたり、
「ガーバショー」とか謎の掛け声を絶叫しながら
グラウンドの端から端まで意識が飛びそうになるくらいまで
必死にダッシュを繰り返したり・・・
あれはあれで楽しかったし、決して後悔をしている訳でもないんだけれど
神宮球場で観た高校野球の熱気を感じてしまうと
僕が知っているあのころの夏とは随分と違って感じられてくる。
そして、きっと僕と似たような感情を抱いている人がたくさん日本にはいて
その人々が、すごく特別な夏を体験する高校球児たちに対して
憧れの熱視線を送るから、高校野球には絶大な人気が
あるんじゃないのかななんて思ったりする。